銀行がお金をつくる?お金が増える仕組みとは

2018年3月6日

マネーストックの推移をみてみると、日本ではお金(現金通貨・預金通貨)の量が右肩上がりに増え続けているようです。

マネーストック
マネーストックの2003年から2018年までの推移 出典:日本銀行

しかし、お金をつくれるのは日本銀行だけなはずですが、先ほどの記事でも説明したように、日銀の通貨(現金通貨・日銀当座預金)発行量(マネタリーベース)が増えても、それがマネーストックにダイレクトに反映されているわけではないようです。

では、マネーストックが増える仕組みとはどんなものなんでしょう?

借金をしたらお金が増える?

「誰かが借金をしたらお金が増える」と聞いたらどう感じますか?

「借金は負債だからお金が減るのでは?」と直感的に思うはずです。

しかし、お金が増える仕組みとは、借金を繰り返すことで成立するようなのです。

そこでこの記事をもう一度読み返してみてください。

お金の役割には、「負債と資産の情報を明確にする」ことがあると説明しました。

つまり、誰かが借金をすることで、誰かの資産が生まれるのです。

その仲介役をするのが銀行です。

銀行には、信用創造というお金をつくるシステムがあるのです。

信用創造は英語でMoney Creationといい、まさにお金をつくる活動です。

信用創造の詳しい説明は専門家の人たちに任せますが(ぼくの頭で考えるとパニックを起こすので…)、銀行が企業などの信用を担保に融資を繰り返すことで、マネーストックを増やす仕組みのことです。

景気が良いときは企業などへの融資が増えるため、信用創造によりマネーストックが順調に増えてきます。

一方で景気が悪いときは銀行からお金を借りる企業が少なく信用創造が減り、マネーストックの増加も鈍化してしまいます。

クレジットが経済を動かしている?

信用は英語でクレジット(Credit)ですね。

銀行は融資先のクレジットのもと、将来の返済を見込んでお金を貸すことになります。

この行為がお金をつくることになります。

厳密には違いますが、クレジットカードの仕組みも似たようなところがあります。

クレジットカードを使った時点で、利用者が返済できるという信用をもとにモノと交換できるのです。

利用者はクレジットを使い、お金を使わずにモノを手に入れたことになります。

言い換えると、信用だけでお金をつくった(先取り)ことになります。

またぼくの実際の話ですが、こんなケースもありました。

最近物忘れの激しいぼくは、床屋さんで髪を切ったあとに、現金が数十円しかないことに気づきました。

恐縮するぼくを尻目に、店員さんは「今度払ってくれればいいよ」と言ってくれたのです。

つけ払いになりますが、お金がないのに実際の取引が成立したわけです。

これも見方を変えれば、何もないところにお金が生まれたことを意味します。

なぜこんなことが成立したのかというと、ぼくがその床屋さんの常連であり、これまで何年も通ってきたという信用があったためです。

それを証明したのが床屋のポイントカードであり、まさにクレジットカードの代用になったのです。

このような活動が借り手(企業)と貸し手(銀行)の大きなグループ間で、長期的に行われているのが信用創造です。

単調な現金のやり取りに信用(クレジット)が加わることで、経済活動の幅が広がったように感じませんか?

お金の流通が、預金通貨の900兆円に対して現金通貨が100兆円程度という理由がそのあたりにあります。

経済活動のほとんどがクレジットのもと行われており、その原資が預金通貨になるからです。

このあたりの話はお金の話の本質になり、考えれば考えるほどわからなくなるという悪循環に陥る可能性があります。

ぼくもその循環から抜け出せていません。

でも、とても興味深い話だと思いませんか?

まとめ

  • お金は誰かの資産であると同時に誰かの負債で、誰かが負債を増やすことでお金が増える
  • マネーストックは、銀行の信用創造により増加する
  • 好景気の時はマネーストックは増え、不景気の時はあまり増えない
  • 経済活動は現金通貨ではなく信用(クレジット)で行われており、その原資が預金通貨になる

次は、マネタリーベースが増えてもマネーストックが増えない理由を考えていきます。