誰かがお金を借りなければ世の中のお金は増えない

2018年3月9日

いわゆるリフレ派の人たちでも、異次元の量的金融緩和にかかわらず、市中に出回るお金(マネーストック)が増えていないことを認めています。

その理由として、量的金融緩和の規模が足りないとか、2014年の消費税8%への増税が原因との説明をしているようです。

そして、GDPはプラスで推移しているし失業率も下がっている、円安になり株価も上がったなど、量的金融緩和の効果を説明していますが、本当にそうなのでしょうか?

これらもひとつひとつ検証する必要があります。

リフレ派の人たちにも、マネーストックが増えないのは資金需要がないとの認識はあるはずですが、景気が上向いているため解消されると考えているようです。

しかし私たちはこれ以上待てません。

2019年の消費税増税を控えており、2014年の増税の影響が4年後の今も続いているとしたら、さらに2023年まで低成長が続くことになりかねません。

何か対策が必要です。

資金需要を生むのは民間か政府だけ

異次元の量的金融緩和の結果、日銀が供給する莫大なお金(マネタリーベース)が日銀当座預金に蓄積されています。

マネタリーベース
マネタリーベースの1970年から2018年までの推移 出典:日本銀行

日銀当座預金のお金を貸したい金融機関ですが、民間の資金需要が低迷しているためできない状況にいます。

ではどうすべきか?

答えは簡単です。

民間が借りないなら、政府が借りればいいのです。

銀行の立場でも、基本的に金利のつかない日銀当座預金にお金をおくよりも、国債を買うことで利息を得るほうが儲かるので、有り余る資金で国債を求めているのです。

政府の負債である国債を日銀が買い取りお金を供給し、そのお金を政府が借りることに矛盾を感じるのは無理もありません。

でもそれが国なのです。

国の役割は国民に幸せな暮らしを提供することであり、大きな問題が起きなければいろいろな手段を使えるのです。

なんだかあいまいな説明ですが、家計や企業の会計感覚では推し量れないものがあります。

銀行の信用創造だってそうです。

銀行がお金をつくるわけですから、普通の感覚では理解できないでしょう。

でも経済をスムーズに動かすために都合がよいので、そのような手段がとれるのです。

ちょっと話は逸れましたが、民間が元気がないときは政府ががんばる、民間が元気のある好景気のときは政府はおとなしくしておく、それが国の基本姿勢です。

まあ細かいことをあげれば、その方程式が成立しないケースもあるでしょうが、マクロ的にそうであり、そのことを私たちが理解することで国の運営がスムーズになるのです。

政府がお金を借りてできること

では、政府がお金を借りて(国債発行)何に使うのでしょう?

政府は毎年税金や国債から、年金や公務員給与、医療費などの政府最終消費支出、そして道路や港湾、学校、病院建設などの公的固定資本形成公共事業)を支出しています。

これらの支出は年々増加していますが、政府は抑制する方向で動いています。

ぼくは抑制するのではなく、支出を拡大すべきという意見を持っています。

理由はシンプルです。

民間の資金需要がないなら政府がつくるしかないからです。

「とにかく政府支出は減らすのが善」と信じている人は納得できないと思いますし、それが間違いだと断言するつもりはありませんが、「政府支出は拡大するのが善」という場合もあることを今後説明していきたいと思います。

まとめ

  • 世の中のお金が増えないのは資金需要がないから
  • 資金需要を賄えるのは民間か政府だけ
  • 政府は社会保障費や公共事業などに支出することで、世の中のお金を増やせる
  • 民間の資金需要が低迷しているときは、政府が支出を拡大すべき