民間がお金を借りないなら、政府が借りることで世の中のお金が増える

2018年3月10日

これまでの投稿で、民間に資金需要がないために世の中に出回るお金(マネーストック)が増えない(量的緩和の効果が薄い)ことは理解いただけたと思います。

では、本当に政府が支出を増やすことは有効であり問題がないのかを説明していきます。

政府の支出が増えると世の中に出回るお金(マネーストック)が増える

お金、現金

政府は毎年税金国債から、年金や公務員給与、医療費などの政府最終消費支出、そして道路や港湾、学校、病院建設などの公的固定資本形成公共事業)を支出しています。

政府が支出を増やすということは、これらのためにもっとお金を使うことになります。

「歳入より多く歳出を増やすのはけしからん」との意見も理解できます。

その是非はあとで検証しますが、政府支出が増えるとマネーストックが増えるのは本当です。

年金や公務員給与は国民に、医療費は医療機関に、道路や港湾、学校、病院建設などの費用は企業に渡るからです。

「特定の人や企業が潤うだけじゃないか」と考えるかもしれませんが、国民や企業に渡ったお金は消費活動や投資に回り、ゆくゆくは幅広い人たちに行き渡るので経済成長につながります。

というか、政府支出自体が経済成長の指標であるGDPに計上されるので当然なのですが。

下は、ぼくが内閣府のデータから作った名目GDPの推移グラフです。

名目GDP
1994年から2017年までの名目GDPの推移

ご存知のように、日本のGDPは20年ほど横ばいなのです。

グラフを見ればわかるのですが、GDPを構成する政府支出である政府最終消費支出はじわじわ伸びていますが、公的固定資本形成が顕著に下がっています。

これでは、GDPを伸ばすのは厳しい状況だと理解いただけるのではないでしょうか?

民間(個人消費や設備投資)の消費が伸び悩んでいる今、GDPを増やす唯一の要因が政府支出だというのが現状なのです。

つまり、今の政府支出を抑制する動きというのは、GDPの増加を抑える結果になっているのです。

政府債務が増えて問題ないのか?

政府支出を増やすということは、国債を発行することで政府債務が増えることを意味します。

政府債務が増えて問題ないのか?

これに回答することは、いわゆる「国の借金」問題という日本国民全体が共有するとんでもない誤解(ぼくの意見)にかかわることなので、丁寧な説明が必要になります。

とりあえず、「民間が消費を減らしているときは政府の支出を増やすことで経済成長は可能」というロジックは共通認識として理解してほしいのですが、どうでしょう…

その結果、「国の借金が増え未来の世代につけが回る」、「だから政府支出の増加はだめ」と思うのは自然ですし自由です。

つまり、「国の借金が増え未来の世代につけが回る」、「だから政府支出の増加はだめ」というのが誤解だと証明できたら、「政府支出拡大による経済成長オーケー」という結論になるはずです。

そんなシンプルではないとの反論もあるでしょうが、少なくともちょっとは前進するはずです。

ということで、今後の記事では次のいわゆる「国の借金」問題について検証していきたいと思います。

まとめ

  • 民間に資金需要がないときは政府が資金需要を引き受けるしかない
  • 政府支出は経済成長(GDP)につながる
  • 民間の消費が低迷しているときは、政府支出を増やさないとGDPは増えない
  • 政府支出の資金は特定の人や企業だけを潤すのではなく、消費や投資の形で国全体を潤す
  • 政府債務の増加に反対する声は多い