GDPが他国並みに成長していれば、いわゆる「国の借金」問題は緩和していた

2018年3月12日

他国が成長する中、取り残される日本

まず、経済規模が大きな国のGDPがどのように推移してきたかみてみましょう。

2017年までのデータで、それ以降は予測になります。

GDP各国推移
1980年から2022年までのGDPの推移・予測 出典:IMFの2017年データ 単位10億ドル

米国と中国の伸びが顕著で、日本は2022年予測でもかろうじて3位をキープしていますが、他の国と団子状態にみえます。

これではわかりにくいので、米国と中国を除いたデータをみてみましょう。

GDP各国推移
1980年から2022年までのGDPの推移・予測 出典:IMFの2017年データ 単位10億ドル

ここではインドの伸びに対し、日本、ドイツ、英国、フランスの伸びの鈍さが目立ちます。

とはいえ、日本と同様、経済が成熟しているとみられるドイツ、英国、フランスでさえ、じわじわとGDPが伸びているのがわかります。

この20年を比較すると、日本がほぼゼロ成長なのに対し、ドイツ、英国、フランスは1.5~2倍程度の成長がみられます。

日本が同程度の成長をしていたとすると、今ではGDPが700~1000兆規模であることになります。

ちなみに2010年あたりの日本のGDPの伸びは、1ドル80円台の異常な円高のためドルベースでは増えていますが、円ベースでは逆に下がっています。

2007年に住宅バブルが崩壊してあれだけ騒がれた米国でさえ、今では何もなかったように経済成長しています。

日本の低成長は緊縮財政が原因

一方で日本は、バブル崩壊以降ゼロ成長が続いています。

これはバブル崩壊の傷が癒えていない段階での、消費増税や公共事業削減などの緊縮財政が大きく影響していることは間違いないでしょう。

名目GDP
1994年から2017年までの名目GDPの推移

GDPの推移をみればわかるように、公的固定資本形成公共事業)が削られ、公務員給与や社会保障費などの政府最終消費支出の伸びが抑えられています。

GDPの構成要素である政府支出を削れば、当然GDPの抑制につながります。

これでは他国と同じように、経済成長するのは難しくなります。

税収はGDPに比例する

いわゆる「国の借金」を減らすためには、税収を増やすか歳出を減らす必要があります。

税金は民間の稼ぎ(GDP)の中から捻出されるため、GDPが伸びれば税収は増え、GDPが伸びなければ税収は横ばい、もしくは減ってしまいます。

緊縮財政をしてGDPの伸びを抑制しても歳出を減らせば、財政健全化が可能という考えが日本には蔓延しているようですが、それではますます経済が縮小し、他国との差が広がってしまいます。

しかも社会保障費は増加の一途が確定的なため、政府最終消費支出の抑制にも限度があります。

他の国でも政府債務は増え続けていますが、GDPも成長しているので政府債務額のGDP比の伸びが抑えられています。

もし日本が他国並みに成長して700~1000兆円のGDPを実現していたら税収も増え、今ほど「国の借金」問題が大きくなっていなかったはずです。

いい加減に緊縮財政の間違いに気づくべきではないでしょうか?

そもそもアベノミクスは緊急緩和と財政拡大のパッケージが売りだったはずです。

財政拡大は置いてきぼりの状態なので、想定したほど経済成長していないのではないでしょうか。

景気回復の兆しがみられるのも確かですが、それでも他国より低成長で十分ではありません。

これは財務省のHPで掲載されている、各国の政府債務残高のGDP比です。

政府債務残高
1990~2008年の各国の政府債務残高GDP比 出典:財務省

財務省は「財政健全化に成功した他国と日本」を強調したいようですが、GDPが成長していない日本と他国との違いでもあるのです。

経済成長による財政健全化に舵を切るべき、だと思いませんか?

まとめ

  • この20年日本がゼロ成長の中、先進国でも1.5~2倍の経済成長をしてきた
  • 日本が他国並みに成長していたら、今のGDPは700~1000兆円だった
  • 1997年の消費増税や緊縮財政の結果GDPはゼロ成長で、税収が減り政府債務は増え続けてきた
  • 他国は政府債務が増えているが、GDPが成長しているのでGDP比では横ばい