インフレかデフレかが判るGDPデフレーター

前回の記事では、GDPには名目実質があり、名目は物価変動を反映した金額であることを説明しました。

そして、名目GDPの成長率が実質GDPより高い場合はインフレで、逆の場合はデフレ傾向にあることも。

以下のグラフは、Wikipediaから得た名目・実質GDPのデータとGDPデフレーターを計算して重ねたものです。

実質値は1990(平成2)暦年基準です。

GDP・GDPデフレーター推移
1980~2016年のGDPとGDPデフレーター推移

インフレかデフレ傾向を教えてくれるGDPデフレーター

GDPデフレーターとは、簡単にいえば経済がインフレかデフレ状況で推移しているかを示したもので、以下の計算で算出できます。

GDPデフレーター = 名目GDP ÷ 実質GDP × 100

正確には、実質GDPはGDPデフレーターをもとに計算されます。

1980年ごろに実質GDPが名目GDPを大きく上回っているのは、実質値が1990年を基準にしているからです。

基準にする年で実質GDPは大きく変わってくるので注意が必要です。

GDPデフレーターは、バブルが崩壊した1989年に伸びが鈍化したのがわかります。

しかし、1998年ごろまで実質GDPが堅調に伸びていますので、ゆるやかなインフレながら実質賃金が上がっていたので国民の生活は豊かになっていました。

これはバブル崩壊の影響で民間の消費が落ち込む中、財政出動による政府支出で経済を支えていたためだと思います。

ところが1999年に名目・実質GDPとも、ガクンと下降しています。

これは1997年に消費税が3%から5%になり、緊縮財政の政策に転換されたことが大きく影響していると思います。

1997年以降、経済成長を抑制する政策がとられている

その後は低成長が続き、2008~2013年は実質GDPが名目GDPを上回るデフレ状態になっています。

そして2014年に再度名目が実質GDPを上回ることになるのですが、2014年は消費税が5%から8%に増税された年です。

消費税が上がるということは、その分だけ名目GDPが強制的にあげられることを意味します。

さらに基礎的財政収支プライマリーバランス)の均衡が目標に掲げられているため、緊縮財政は続いています。

つまり、経済成長(GDPの上昇)を抑える効果のある政策が進められているのです。

確かに最近はGDPが堅調に伸びているとの報道もあります。

8期連続でプラスになったとよく聞きますが、これは実質GDPであることを忘れてはいけません。

実質GDPは物価変動を反映していませんので、前期と同じ実質GDPでもデフレになっている場合は上昇するという特徴があります。

実質GDPが伸びないのも問題ですが、デフレ期には優先的に名目GDPを伸ばす方向で経済政策をとらなければならないのです。

GDPに関する報道では、それが名目なのかGDPなのかを注視しましょう。

まとめ

  • GDPデフレーターでインフレかデフレかを判断できる
  • 実質GDPが名目GDPより上昇すればデフレ状態に
  • バブル崩壊後に緩やかなインフレになり、2010年前後はデフレ状態に
  • 消費税増税と緊縮財政は経済成長を抑制し、デフレ傾向を促進する
  • デフレ期には、経済成長していなくても実質GDPが上昇する