ギリシャと日本の大きな違い。政府債務のGDP比が大きな日本が破綻しない理由

「日本が財政破綻する」と主張する人は、よくギリシャを引き合いに出してきます。ギリシャは2015年、政府債務が返済できなくなり事実上破綻しました。

当時のギリシャの政府債務はGDP比で約180%で、長期国債金利は13%近くまで上昇していました。一方現在の日本では政府債務はGDP比で200%(日銀買取分を含む)ですが、国債の長期金利は1%未満で推移しています。

財政破綻したギリシャと日本では、何が違うのでしょう?

ギリシャは政府債務がGDP比180%で破綻したのに、200%の日本が破綻しない理由

ギリシャと日本の置かれている状況の大きな違いは、ギリシャの政府債務が共通通貨ユーロ建て、日本は100%日本円建てで、そして貯蓄不足のギリシャに対して日本は貯蓄過剰ということです。

もし日本が貯蓄不足で日本円建ての国債が国内で消化できない場合、外貨建ての国債を外国の投資家に買ってもらう必要があります。その場合、利払いや返済のために外貨を獲得する必要があるため、国内の経済状況や為替レートなどの要因で確実に償還できるかが不透明になります。

しかし日本は100%自国通貨建てな上、通貨発行権を有するため確実に償還できるのです。

ギリシャは貯蓄不足なため、政府はドイツやフランスの銀行に国債を買い取ってもらっていました。ギリシャは同じユーロ圏ですが、通貨発行権は欧州中央銀行にあるため自国で通貨発行ができず、償還のために国内の税金などからユーロを確保する必要がありました。

そのため歳入を増やす一方、政府支出を削減することで景気が悪化していき、結果歳入が減り続けることで、ついに償還ができなくなってしまったのです。

‏ギリシャは破綻前、長期国債金利は13%近くまで上昇していました。日本では中央銀行が国債を引き受けることで金利上昇を抑制できますが、ギリシャには中央銀行がないのでその手も使えません。

そもそも日本では、日銀が国債を引き受けなくても長期金利は約20年間史上最低レベルにあります。民間が貯蓄ばかりして投資をしないため金融機関にお金が有り余り、国債の需要が高いのが理由です。

日本は国債を発行して財政拡大することで経済成長できる環境にありながら、自ら緊縮財政するというおかしな状況にあるのです。

自国通貨をもたないデメリットの大きさ

ギリシャはユーロ加入前には、ドラクマという自国通貨を有していました。ドラクマ時代から債務不履行の悪い癖(?)はあり、定期的に財政破綻をし、その度にドラクマ安による輸出や観光客を増やすことで経済成長していたのです。

しかしユーロに加入してしまうと、破綻しても共通通貨のためユーロ安は望めず、経済再興のきっかけがつかめなくなってしまっています。ユーロを使い続ける限り財政均衡を守らなければならず、現在ではGDPはピークより約30%も減少し、若年者の失業率は50%近くまで上昇するという悲惨な状況にあります。

日本とギリシャはこのように全く違う経済状況にありながら、同じく財政均衡を追求することで経済成長できない状況に陥っています。

一刻も早くギリシャと日本は違うということを政治家を含め日本国民が知り、経済成長するために何をすべきかを理解しなければなりません。

まとめ

  • ギリシャ国債は共通通貨のユーロ建てて、ドイツとフランスの銀行が主な債権者
  • 日本の国債は100%円建てで、9割以上が国内で消化
  • ギリシャはユーロの発行権を持たず、中央銀行の国債引き受けもできない
  • 日本は自国通貨の発行権を有し、日銀による国債引き受けができる
  • ギリシャは破たん前、国債金利が13%近くまで上昇
  • 日本の国債金利は1%未満で推移
  • ギリシャも日本も、財政均衡を目的とした緊縮財政をしている