進む規制緩和。安倍政権の5年間で外国人労働者数が約2倍の128万人に

民主党政権は外国人労働者の受け入れに積極的なイメージがありましたが、保守色の強い安倍政権の誕生で、その流れは変わっていたとの印象を持っていました。

しかし実際は、安倍政権の5年間で外国人労働者の数が60万人も増えているというのです。

外国人労働者128万人 過去最高、厚労省 外国人頼み一段と

厚生労働省は26日、2017年10月末時点の外国人労働者数が127万8670人だったと発表した。前年同期から18%増え、増加は5年連続。企業の届け出を義務化した07年以降で過去最高を更新した。製造業で働く技能実習生やサービス業で働く留学生らの増加が目立ち、人手不足が深刻な職場を外国人で補う構図が強まっている。

外国人労働者の数は12年から急激に増加し、5年間で約60万人増えた。日本の雇用者総数の約2%を占める水準だ。外国人を雇う事業所の数も、前年同期比12.6%増の19万4595カ所と過去最高になった。

日本国民より外国人労働者の受け入れを優先する安倍政権

確か安倍政権は一億総活躍社会の実現を目指しているはずですが、どうやら日本国民より外国人労働者が活躍する社会を実現しようとしているようです。

また安倍政権は、産業界に3%の賃上げを要求しています。しかし外国人労働者が増えている中、今の社員の賃金を上げたり新たに社員を雇用しようと企業は考えるでしょうか?

景気回復の傾向はあるものの、来年の消費増税を控えるなど、決して将来を楽観できる状況ではありません。それより忙しいときだけ雇える便利な契約社員や、外国労働者を一時的に雇う方を選択するのが自然の流れです。

失業率は2.5%まで下がり、人手不足が深刻なため外国人労働者が必要との意見もありますが、働けるにも関わらず生活保護を受給している人や、ニートの人たちを労働市場に戻す努力を本当にしているのでしょうか?

また、今いる人手で増える需要を賄う努力を企業はしているのでしょうか?一人当たりの所得を上げるためには、一人当たりの労働時間を増やすか生産性を高めるしか方法がないのです。それを安易に安い労働略で埋めようとしているのが、この20年間で経済成長できていない日本の問題ではないでしょうか。

安倍政権で下がり続ける実質賃金

実際に、安倍政権になってから実質賃金は下がり続けています。

実質賃金指数
平成19~29年の実質賃金指数 出典:厚生労働省

安倍政権の5年間で労働環境の規制緩和は進み、労働者の賃金は下がり続け、経営者にとって歓迎すべき環境が整いつつあります。企業は賃金を上げる必要もなく、設備投資も最小限に抑えられるので利益率は上昇します。利益は従業員に還元せず、内部留保は過去最大の400兆円を超えています。

安倍政権が、誰のための政治をしているのかが理解できると思います。結局安倍首相も、グローバリズムを信奉する新自由主義者だったのです。

ぼくが新自由主義者に不信を抱くのは、自分の信念を隠しながら着々とグローバリズムの方向に人々を導くところです。

民主党政権時に一議員だった安倍首相は、積極的に保守系のメディアに登場し、いかにしてグローバリズムから古き良き日本を守るかを力説していました。

2013年の著書「新しい国へ」では、「私は瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい資本主義があるのだろうと思っています。自由な競争と開かれた経済を重視しつつ、しかし、ウォール街から世間を席巻した、強欲を原動力とするような資本主義ではなく、道義を重んじ、真の豊かさを知る、瑞穂の国には瑞穂の国にふさわしい市場主義の形があります。」と述べています。

当時の姿からは、今のグローバリズムむき出しの政策を推し進める姿を想像した人はほとんどいないのではないでしょうか。

働き方改革」にしたってそうです。正社員に副業を解禁したからといって、誰もが裕福になれるわけではありません。それより、正社員であれば副業しなくても十分な収入を得られるような労働環境にすべきなのは、誰が考えても正論なはずです。

欧州や米国では、これまでのグローバリズム政策からのより戻しがはじまっています。移民に対して厳しい政党の台頭により、国民の移民に対する警戒心が顕著に表れているのです。今から移民受け入れに突っ走ろうとしている日本は、本当に幸福な社会に向かっているのでしょうか?

日本人にとって不幸なのが、自民党内にも野党にも、反グローバル・反移民を明確に表明している政治家がほとんどいないところです。国民から、反グローバルの意思を表明するしかこの流れを変える方法はないのです。

まとめ

  • 安倍政権の5年間で外国人労働者の数が60万人も増え128万人に
  • 安倍政権下では人手不足にかかわらず実質賃金が低下
  • 外国人労働者より、日本の生産年齢層の未就業者の労働参加を優先すべき
  • 経営者にとって賃金上昇や設備投資を先延ばしできる、派遣や外国人労働者は便利な存在
  • 欧米では反移民の動きが加速