北朝鮮問題の陰で悪化する米中関係。経済成長できない日本のプレゼンスは低下

国力の基本は経済力です。

経済政策の失敗により日本経済の成長が止まる中、中国と米国は堅調に国力を強化してきました。

中でも中国は、正確なGDPかは怪しいところですが、この20年間で十数倍も成長しています。

米国もうかうかしていられません。中国は軍事的にも経済的にも、無視できない存在になってきているのです。米国は北朝鮮より、中国がこれからの最大の敵国と判断しているのです。

米中は現在、西太平洋上で戦争状態にある

米中は現在、西太平洋上で戦争状態にある

マイケル・ファベイ氏の著書「米中海戦はもう始まっている -21世紀の太平洋戦争-」はこの一文で始まります。

南シナ海公海上の米軍機に中国機が体当たりした2001年の海南島事件、米軍艦が公海上で中国船団に包囲された2009年インペッカブル事件、最近では2018年1月17日、米海軍ミサイル駆逐「ホッパー」がスカボロー礁約12海里(22キロ)の海域を航行しました。同海域は中国とフィリピンが領有権を争っており、中国が実効支配しています。

海洋進出を活発化している中国と米軍の軍事衝突が、東シナ海・南シナ海でいつ起きてもおかしくない状況にあります。南シナ海の覇権獲得を狙う中国はパラセル諸島やスプラトリー諸島に続き、スカボロー礁の軍事拠点化も進める予定で、開戦の可能性は高まっているのです。

中国が南シナ海を軍事拠点化する狙いは、原子力潜水艦から米国本土へ届く核ミサイルを配備することで、米国が中国を攻撃できなくすることです。また、台湾の占領も念頭にあり、南シナ海は軍事的に重要な海域なのです。

それは日本にとっても同じで、ここが押さえられるとタンカーなどが通る海上交通路(シーレーン)が中国の支配下に入り、安全保障上大きな問題になります。そのため、ロシア、インド、ベトナム、フィリピン、インドネシアとの協力が欠かせず、経済政策が冴えない安倍政権ですが、積極的に外交関係を強化しています。

また、この問題に対し何も対処してこなかったオバマ大統領時代が終わり、危機を認識するトランプ大統領が国家防衛戦略を10年ぶりに作成し、仮想敵国に1位は中国、2位はロシアと明確にしました。北朝鮮はならず者国家ではありますが国力があまりにも小さいため、敵として認識さえしていないのです。

米中貿易戦争も激化

当然経済面でも、米中の対立は激化しています。

米国の貿易赤字は47.3%が対中国の約3470ドルで、日本が9.4%、ドイツが8.8%と続きます。

2018年3月、鉄鋼・アルミニウムの輸入が米国の安全を損なうとして輸入制限する方針を表明しました。一方中国は輸入制限措置に対抗し、アメリカ製品128品目に高関税をかけると揺さぶりをかけています。さらに米国は中国の知的財産権の侵害を調査する決定をするなど、経済面でも関係悪化は避けられません。

日本では北朝鮮問題より森友学園問題が注目されるという、相変わらずの外交音痴ぶりを発揮していますが、裏では今後の世界情勢にとってもっとも重要な米中関係が悪化してきているのです。

まとめ

  • 経済成長が止まった日本と、堅調に成長してきた米中との差が広がっている
  • 南シナ海で米中開戦の危機が高まっている
  • 南シナ海は、日本経済にとって重要なシーレーン
  • 経済面でも、米中の貿易戦争が始まっている
  • 日本はもっと、激変する世界情勢に目を向け戦略を練るべき