池田 信夫氏は根本的な経済の仕組みを理解していないのでは?その1

『アゴラ』というメディアで、池田信夫氏が日本の将来を悲観・絶望する記事を積極的に配信しています。

最近では、国の借金はこどもの負担にならないの?を投稿しています。

まず冒頭で、安倍首相の以下の国会答弁について言及しています。

インフラ整備こそが日本の経済成長を支え、大きな富を生み出した。後世の負担ではなくむしろプラス

池田氏は、インフラ整備について以下のような意見を持っています。

1960年代には日本のインフラは貧弱だったので、公共事業の収益率は企業より高かったのです。

でもインフラ投資の効率は、地方に行くと悪くなります。整備新幹線は最初から赤字覚悟で、税金を投入しています。これは将来世代の税負担になりますが、こういう「建設国債」は将来世代にインフラが残ります。

公共事業の収益率を重視することに意味はあるのか?

まず公共事業の収益率とありますが、公共事業の収益率と企業のそれを比較することに意味はないのではないでしょうか?

収益率のみを考えると池田氏のおっしゃるように、「インフラ投資の効率は、地方に行くと悪くなる」ため、地方の公共投資は無駄という考えにつながってしまいます。

今もNHKで、大分県で起きた土砂崩れで5人が行方不明とのニュースを報じています。

土砂崩れを防ぐためには事前調査から始まり、崩れる可能性のある斜面を補強するなどの土木工事が必要です。当然そのような工事は、収益が発生しないため民間企業が手を挙げるわけがなく、国による公共事業で対応しなければなりません。

しかし日本では、1990年代後半からの公共事業削減により、多くの土木建設業者が廃業に追い込まれました。

建設投資、許可業者数及び就業者数の推移
建設投資、許可業者数及び就業者数の推移 出典:国土交通省

さらに人手不足も加わり、土砂崩れの危険のある場所でも工事が迅速に行えない状況にあります。ぼくの住む地域でも、土木役員が市に根気強く掛け合って、やっと工事に着手してもらっている状況です。

このような状況になったのは、池田氏をはじめとする公共事業にネガティブなイメージをもつ人たちが増えたのが要因のひとつではないでしょうか。

国民もそれを支持してきたわけですが、メディアで「無駄な公共事業」キャンペーンを長年報じてきたので無理はありません。

インフラ投資は将来の税負担になるのか?

池田氏はインフラ投資のため発行された「建設国債」は、将来世代の税負担になると断言しています。

果たしてそれは本当でしょうか?

池田氏の「無駄な公共事業」はすべきではないとの考えは、「将来世代の税負担になるから」との理由が主な原因のようです。

言い換えると、「将来世代の税負担にならない」となれば、いわゆる「無駄な公共事業」は問題にならないことになります。そもそも、「無駄な公共事業」なんてないし、無駄なんて判定できる人もいません。

民主党政権時代の公共事業の仕分けによって脆弱な土地が放置され、人が死んでいるという可能性だってあるのです。

断言します。

日本の場合、国債は将来世代の税負担になりません。

テクニカルな方法では、今行っているように日銀が国債を引き受ければ政府は利払い負担から解放されます。また、日銀の国債を消したければ、通貨発行権のある政府が必要なだけ1兆円の硬貨を発行し日銀に渡せばいいのです。

そんなの卑怯だとの声もあると思います。

では、無理やり国債を将来世代の税から返そうとしましょう。

そんなことをすれば、日本の金融システムは崩壊するでしょう。

30年国債の需要増 落札利回り1年3カ月ぶり低水準

池田氏や財務省、その他の御用学者が国債危機を煽ろうとも、市場は長期国債を求めているのです。

国債が将来世代の負担になるのであれば、現在と将来の国債状況を考慮する市場が30年国債を競って応札するわけありませんよね。

それとも、30年後の世代が余裕で税金で償還すると市場が判断するのでしょうか。

面白過ぎる物語が池田氏の頭で動いているようです。

まとめ

  • 池田信夫氏は、インフラ投資が将来世代の負担になると主張
  • 池田氏は、インフラ投資の収益率を重視
  • インフラ投資は人命を救うため、収益率以外の要素が重要
  • インフラ投資が将来世代の負担になるのであれば、30年国債の需要が増えるのはおかしい