「国の借金(政府債務)」が国内の金融資産を超えることはない

2018年4月27日

国民の多くが誤解しているのが、「国の借金政府債務)」が国内の金融資産を超えるとヤバイということです。

それもそのはず、いわゆる専門家といわれる人でも間違っているのですから。

将来的な財政破綻を疑わないインターネットメディア『アゴラ』を主催する池田信夫氏もその一人です。

「日本の財政は破たんしない」ってほんと?

この記事で池田氏は、次のように説明します。

しかし2020年代には社会保障支出が激増するので、国の借金が国内貯蓄(1700兆円)を超え、国内で消化できなくなります。

いわゆる「国の借金」が国内貯蓄を超えることはない

社会保障支出を赤字国債で賄うと、確かにいわゆる「国の借金」は増えます。しかし、社会保障という形で支出したお金は使われるので、誰かの所得となり金融資産として形成されます。年金の場合使われないかもしれませんが、やはり預金として残ることになります。

お金は消えないのです。国の借金が増えたとしても、時間差はありますが必ず誰かの資産となるので国内貯蓄は増えます。

では実際にグラフで国の借金と国内の貯蓄がどのように増えているのかみてみましょう。

まず国の借金ですが、正確には政府債務(政府の借金)です。正確な用語を使わないのが、池田氏たちのような破綻論者たちの特徴です。

政府債務
1980年から2018年までの政府債務の推移 出典:日本銀行

しっかりと1000兆円を超えています。

次に池田氏のいう国内貯蓄です。国内貯蓄が何を意味しているのかわかりませんので、ここではマネーストック(M3)としておきます。M3=現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、全預金取扱機関)。

マネーストック(M3)
マネーストック(M3)推移 出典:日本銀行

こちらも順調に伸びており、国債発行が国民の資産形成に一役買っている証拠ともいえそうです。

いわゆる「国の借金」を返すと国内貯蓄が減る

多くの人が「借金は返さなければならない」と考えていますが、いわゆる「国の借金」の場合は少し違います。

例えば借金の相手が他国で外貨建ての場合、返済期限がきたらなんとか外貨を調達し償還しなければなりませんが、返済相手が国内でしかも自国通貨建ての場合、政府はお金(国債)を発行できるので、わざわざ税金で国民から吸い上げて償還する必要がありません。

お金を発行しすぎるとインフレなどの問題がありますので無茶はできませんが、日本は長期デフレ状態なので余裕でできるのです。

それでも税金を増やして借金を返す(今の財務省の主張)のであれば、それは単に国内の貯蓄が減り、マネーストックが減少するだけです。

今の日銀による量的金融緩和は、マネタリーベースを増やしてマネーストックを増やそうとする政策です。増税は、一方でマネーストックを減らす行為でしかないのです。

これでも「借金はすべて悪だから返すべき」と思いますか?

まとめ

  • いわゆる「国の借金」が国内貯蓄を超えることはない
  • 赤字国債は国民の資産形成に貢献
  • いわゆる「国の借金」の返済は、国内貯蓄を減らす
  • 国内で自国通貨建ての国債は、税金ではなくお金の発行で返済可能