国の借金、1087兆円に増加だそうです。真実を伝えない悪質な日本メディア

日本経済新聞から、悪質なイメージ操作を目的としたと思われる報道が流されています。

国の借金、1087兆円に増加 3月末、国民1人当たり859万円

財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が3月末時点で1087兆8130億円になったと発表した。長期国債の残高増加が影響した。

先日のエントリーでも紹介したように、日本のメディアのいう「国の借金」は政府の借金であり、日本には政府と民間の借金を合計した本当の「国の借金」は約7000兆円あります。

その借金の債権者のほとんどが国内におり、誰かの負債は誰かの資産なので、国の借金が増えれば国の資産も増えることになります。国の資産は合計1京円を超えており、日本は約3000兆円の資産超過国なのです。

グローバルスタンダードでは「国の借金」は政府と民間の借金の合計

グローバルスタンダードが好きな日本メディアですが、「国の借金」に関してはグローバルスタンダードを無視しています。例えば、「National debt(国の借金)」でググると、Wikipediaの「Government debt(政府の借金)」が出てきます。

面白いのが、Government debtはPublic interest(公益)、Public debt(公債)、National debt(国の借金)、Sovereign debt(ソブリン債)と呼ばれることもあるといい、政府の借金が公の利益になることを示しているところです。日本では国債にネガティブなイメージがありますが、使い方次第で国民の利益になるのです。

また、わざわざ日本メディアと財務省は、政府の借金と民間の借金の境界線を不鮮明にしていますが、グローバルスタンダードでは、「National debt(国の借金)」という用語が誤解を与えないように、政府の借金と民間の借金をきちんと区別しています。

以下のグラフは、青の米国の民間の借金、緑の米国政府の借金を合わせて国の借金としているものです。日本のメディアが悪質なのか、このような日本の借金の状況を分かりやすく伝えられるグラフを決して公開しないことです。

Intergovernmental and public US National debt 出典:Wikipedia

ほとんどの日本国民が「国の借金1000兆円超え」とのイメージを持っていますが、一方で政府の資産、民間の借金、民間の資産についてどれだけあるのかを理解していません。

それは冒頭のメディアのように、本当の国の借金の一部である政府の借金だけしか報道しないからです。日本国民は、メディアや財務省からバカにされていると思います。

グローバルスタンダードでは日本の政府債務をどのように捉えているのか?

政府の借金だとしても、1000兆円超えは異常なことだと一般の人たちは考えるはずです。「世界の債務残高対GDP比ランキング」といったサイトで、200%超えの日本がダントツでワースト1位だからです。

Wikipediaの英語サイトでは、政府債務について重要なカテゴライズをしています。

Government debt can be categorized as internal debt (owed to lenders within the country) and external debt (owed to foreign lenders).

「政府債務は、国内で消化される内債と外国の投資家に買われる外債に分類できる」というのです。日本ではほとんどが内債のためこのことはあまり意識されませんが、国内に十分な貯蓄を持たない国では外債(一般的にドル)に頼るしかありません。

例えば2001年に債務不履行デフォルト)したアルゼンチンは、2016年に国際金融市場に復帰して外債で借金できるようになりましたが、再びデフォルトの危機にあります。

アルゼンチン、緊急利上げで政策金利40%に

アルゼンチンの中央銀行は4日、政策金利を6.75%引き上げ、年40%にすると発表した。この8日間で3度目となる利上げで、金利の引き上げ幅は計12.75%に達する。

グローバルスタンダードでは、自国通貨以外の外債発行がデフォルトの危険を高めます。アルゼンチンのような外債に頼る国が一旦危機に陥ると、自国通貨の暴落を防ぐために金利を上げざるを得なくなります。

国債の100%が中央政府が自由に発行できる自国通貨建てで、しかもほとんどが国内で消化されている幸運な環境にある日本が財政危機にあるという海外メディアは今のところ見当たりません。過度なインフレや金利上昇の兆候が見られないのもその理由です。

ましてや経済指標を無視し、政府の借金を「国の借金」と言い換え、「国民1人当たり約859万円の借金を抱えていることになる。」なんて的外れでイメージ先行の論調を枕詞のように吐く海外メディアなんて皆無です。

一体日本のメディアはどうしてしまったのでしょう?

まとめ

  • 日本のメディアのいう「国の借金」は、グローバルスタンダードでは「政府債務」
  • 政府債務は内債と外債にカテゴライズされる
  • アルゼンチンのような外債に頼っている国が、デフォルトのリスクが高くなる
  • 自国通貨建て100%で内債がほとんどの日本のデフォルトを危惧する海外メディアはみあたらない
  • 「国民1人当たり約859万円の借金」は、国民の危機感を煽るためのイメージ操作でしかない