IMFは2019年の日本経済の減速を予測。それでも消費増税を進めたい政府と経団連

2019年10月に予定されている消費税増税をめぐり、政府内で粛々と準備が整えられています。

<政府>骨太の方針、骨子案に消費増税対策

政府は28日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針となる「骨太の方針」の骨子案を示した。2019年10月に予定する消費税増税が日本経済に深刻な影響を与えないよう万全の対策を講じる方針を明記。安倍晋三首相は「臨時特別措置を19、20年度当初予算で講じるべきだという提案が(会議で)あった」と述べ、増税前後の大型景気対策を検討するよう指示した。

その内容は、「消費増税で景気が悪くなるから対策しましょうね」というふざけたものです。

消費増税で家計の消費は落ち込み、内需に深刻な影響を与える

「消費税増税が日本経済に深刻な影響を与えないよう万全の対策」とありますが、深刻な影響とは2014年に5%から8%に消費増税をしたときの消費の落ち込みのことです。当時も深刻な影響を危惧する多くの声を無視して消費増税をした結果、深刻な影響があったのです。そして今回の消費増税も、2014年の深刻な影響を予測できなかった人たちによって進められようとしているのです。

消費税はすべての人から均等に徴収できる公平な税」というのは間違いです。所得が少ないため所得の90%を消費する人と、余裕があり所得の30%しか消費しないで生活できる人では税負担が違ってきます。これでは益々格差は広がっていくでしょう。

それでも経団連が消費増税を推進するのは、一般人が貧困化しようとも企業が儲かればいいと考えていると推測します。

経団連、消費税10%超「有力な選択肢」 新財政計画へ提言

経団連は、先進国で最悪の財政状況を改善するため、消費税率を2019年10月に予定通り10%に引き上げた後、10%を超える水準への税率引き上げを「有力な選択肢」として議論するように促す提言をまとめた。

経団連に加盟するような大手輸出企業は、内需が減っても海外で稼げるので消費増税はそれほど大きな影響はありません。むしろ国内が不景気な方が、下請けや労働者に無理な要求を突き付けられます。消費増税分の値上げさえ許さない「下請けいじめ」ができ、貧困化した人たちを安く雇えるからです。コストを抑えながらグローバルで戦えるモノやサービスを提供できるので、好都合なのです。

さらに「増税前後の大型景気対策を検討」とありますが、これは補正予算などで政府支出を増やすということでしょう。しかし、財政健全化を目的とした消費増税なのに、それによって落ち込む景気を国債発行を含めた政府支出で支えるとは、もはや意味が分かりません。そこまでして消費増税する必要ないのでは、と誰もが考えるのではないでしょうか。

世界は日本の消費増税をどうみているのか?

日本のメディアは、「消費増税やむなし」の論調で一色です。Bloombergの英語版では、日本の消費増税による影響を次のように報じています。

2019 Looks Like a Crunch Year for Japan’s Economy

The nation’s growth will slow then, according to an International Monetary Fund forecast, just as the government raises the sales tax.(IMFの予測によると、消費増税により日本の成長は鈍化する)

また前回の消費増税で消費が9兆円減り、不景気になったことも言及しています。そして、2019年の経済成長が0.9%に落ち込むと予測しています。

さらに今後の日本の経済が不透明な要因として、主要な貿易相手国の米国と中国の経済が2020年以降あまり良くないことをあげています。

IMFの予測が常に正しいとはいいませんが、このような予測が出ているにもかかわらず消費増税が既定路線で進められていることに戦慄を覚えます。政府も経済界も、そして国民の多くも日本の景気を悪くする消費増税を支持しているのです。しかもそれが「将来世代につけを残さない」と信じている人もいます。実際には、消費増税が将来世代のつけになるのです。

世界中でグローバル化の綻びが、格差という形でみえはじめています。グローバル化、構造改革、小さな政府路線が常に間違いなわけではありません。ただインフレ時には有効な手段であっても、デフレ時にも有効とは限らないのです。

先進国でデフレ化が進んでいます。内需より外需で稼ぐグローバル化が進み過ぎたのが原因のひとつです。格差が広がり、余裕を失った人たちは寛容性を失って社会がギスギスしてきているように感じます。今こそ政府の役割を見直し、内需拡大で国民すべてを豊かにする政策に転換するときではないでしょうか。

まとめ

  • 政府は2019年10月に消費増税を予定
  • 消費増税による景気の落ち込みをカバーするため、大型景気対策を検討している
  • 経団連は消費増税に賛成
  • IMFは消費増税の影響で、2019年の日本の経済成長は0.9%に鈍化すると予測
  • 2020年以降は米国と中国の経済が低迷すると予測され、日本の景気に影響も