日本の財政破綻を信じたいメディア。今更やめられないフェイクニュース

メディアでは、「日本財政は破綻する」というデマに基づいた報道で溢れています。

例えば以下の社説。

社説:骨太方針 財政再建ますます遠く

財政再建と成長戦略を同時に進める。そのかじ取りの難しさに引き比べて、政権の危機感や覚悟は今回も伝わってこない。

デフレのときに財政再建と成長は両立できない

財政再建と成長戦略を同時に進める」とありますが、デフレのときには財政再建と経済成長は両立しません。既にデフレではないとの声もありますが、インフレ目標2%も未達、実質賃金が下げ止まりしている状況では完全にデフレから脱却しているとはいえないでしょう。

デフレ下では消費が落ち込みます。財政再建とは税や社会保険料を上げることで国民の負担を増やし、公共事業や社会保障費を削減することで企業や国民の所得を下げることです。そんなことをして成長できるわけがありません。

財政再建とは、経済成長していれば勝手に実現するものなのです。政府債務残高が膨らんできたのは、1990年前半にバブルが崩壊して経済が低迷し、デフレになってからなのです。

政府債務
1980年から2018年までの政府債務の推移 出典:日本銀行

日本の財政破綻リスクは低い

そもそも冒頭のような記事は、「日本は財政破綻する」という前提基づいています。では、それが否定されてしまえばフェイクニュースになってしまいます。

日本の国債のほとんどが国内で自国通貨建てで消化され、しかも政府がお金を発行できるので破綻しないという事実があるので、日本の財政破綻はほぼ不可能なのですが、なかなか心情的に理解されていません。非破綻論者でも、「国債をバンバン発行すればいいんだよ」と極論を主張する人もいるため、トンデモ論と思われているような気もします。

「国債をバンバン発行すればいいんだよ」は決して間違いではありませんが、やはり限度があります。国債を発行すればお金が家計や企業に渡ることになり、モノやサービスが消費されます。モノやサービスが消費されれば価格があがりインフレになります。2~3%程度のインフレであれば国民への負担も少なく、堅調な経済成長が可能ですが、過度なインフレは金利の急騰やバブルにつながるため避けなければなりません。

とはいえ、供給能力の高い日本でインフレにもっていくためには、かなりの消費が必要と思われます。ちなみに、ぼくが現状の日本がインフレになる可能性が高いのは大災害が起きたときだと考えます。

最大規模の高潮 東京や大阪は100兆円超の経済被害

東京や大阪が想定される最大規模の高潮に襲われると、最悪の場合、それぞれ100兆円を超える経済被害が発生するおそれがあることが土木学会の推計でわかりました。

大災害で、企業の生産力が大きく棄損されるため、モノやサービスが供給できなくなるためです。戦後の日本国土がズタズタにされたと同じ状況になるのです。だから、「公共事業による国土強靭化が必要」との主張に大いに賛成なのですが、またそれは別の機会に書きます。

話を戻しますが、インフレ率や金利にさえ悪い影響がなければ、いくらでも国債発行できるのです。それは昨今のトルコやイタリアのインフレ率や金利をみれば理解できます。財政リスクが高い国は、インフレ率が以上に高かったり、政治不安を理由に国債金利が急騰するなどのサインがあるのです。ご存知の通り20年間日本のインフレ率と国債金利は超低空飛行を続けています。それは、日本の財政破綻リスクが低いことを証明しているのです。

デフレのときは過度なインフレにならない程度に財政出動をすることで経済成長を実現し、経済が過熱し過ぎないように消費税をあげたり緊縮財政をする、というのが正しいソリューションになります。確かにグローバルに絡まる経済状況では不確実性が増すため簡単ではありませんが、現状の完全に間違った政策からは、一刻も早く転換しなければならないのです。

まとめ

  • デフレのときは消費が落ち込むので、財政再建を強行すると経済が停滞する
  • 経済が好調であれば自然に財政再建はできる
  • デフレのときに経済成長するためには、国債発行による財政出動が必要
  • インフレ率や国債金利が高騰しない限り、日本はいくらでも国債発行できる
  • 日本の国債の破綻リスクの低さは、バブル崩壊後の低インフレ率と国債金利の低さが証明