根性や我慢の価値が下がっている?努力しなくても生活できる理想世界に近づいている

年配者からは、「ゆとり世代が」といった批判がありそうな記事が掲載されました。ちなみに、ゆとり世代は自らゆとりを選んだのではなく時代の政治状況がそうしただけなのに、批判的にみられるのは不当に思います。

「苦労したくない」34・1%、「人並みで十分」61・6% ともに過去最高、働く意識低下か 新入社員意識調査

好んで苦労したくはなく、人並みで十分-。そう考える新入社員が過去最多に上ることが、日本生産性本部が21日公表した「働くことの意識調査」で分かった。調査は昭和44年度から始まり、今年で50回目。今国会では働き方改革が最重要課題となっており長時間労働の是正が目指されているが、新入社員の働く意識自体が低くなっていないか危惧されている。

やはり、ネガティブな捉え方がされているようですが、新入社員たちは上の世代たちを見てそのような考えになったわけで、時代に則した考え方をしているに過ぎないのです。

根性や我慢、努力が美徳とされていた時代は終わった?

好んで苦労したくはなく、人並みで十分」という考え方は、これまで美徳とされていた「根性や我慢、努力」とは対極的にあるため、価値観の固まった特に年配者には受け入れられないのではないでしょうか。しかし「根性や我慢、努力」が常に正しいのかといえば、決してそうとはいえません。例えば、指導者が間違った価値観を持っている場合、根性や我慢、努力が間違った方向に行ってしまいます。それが顕著に表れたのが、日大アメフト部の危険タックル問題です。

強豪アメフト部のレギュラーになるためには、根性や我慢、努力は必ず伴います。しかしそれがチームワークやスキルの向上に向かえばいいのですが、指導者への絶対服従や他人への危害に向かう場合は悪害でしかありません。絶対的な指導者には立場の弱い者は抗うことはできず、不本意ながら加害者になったのが今回のケースです。しかも問題が発覚しても、指導者が選手を切り捨てるという最悪な選択をしてしまいました。

このような事例は、日本では日常茶飯事です。組織を信頼し、これまで学校や部活で教えられてきた根性や我慢、努力で貢献しようとした結果、企業の不正に手を貸すことになり、人生が滅茶苦茶になってしまっては本末転倒です。「企業に尽くしてもろくなことないな。じゃあほどほどでいいや」と考えてしまうのも無理はないでしょう。

ぼくが今フリーな立場で働いているのも、組織に属することの馬鹿馬鹿しさに嫌気が差したからです。ぼくの感覚では、50代以上の経営者は「社員は会社に絶対服従」することが当然だと考えている人が多いように感じます。「死ぬ気で働け」、「会社が黒といえば、白でも黒といえ」など、ぼくが実際に経営者から言われた言葉です。こんな経営者の下で働くのは時間の無駄遣い、というのがぼくの出した結論です。

これまでの常識が覆ろうとしている

根性や我慢、努力が美徳とされてきたのは、それが社会に求められていたからです。今の社会システムは、社会がスムーズに回るように組み立てられています。学校や部活における集団生活も、企業に抵抗なく入っていけるようにプログラムされています。

なので、根性や我慢、努力は人に求められる根源的な価値観ではなく、資本主義というシステムに便利だから普及した価値観ともいえそうです。なぜ社会に根性や我慢、努力が必要だったかというと、みんなが貧しい中でも人口は増え、貧しさに我慢しながら努力や根性で生産性を高めないと日本が成長できなかったからです。

しかし現在、先人たちの努力のおかげで飛躍的に生産性が高まりました。むしろ生産性が高まり過ぎモノやサービスが溢れ、デフレに陥ってしまっています。これを解消するためには、これまで美徳とされていた我慢を捨て、生活を楽しむためどんどん消費していく必要があります。今、ヘリコプターマネーベーシックインカムが話題になっているのも、高まる生産性に対して需要が追いついてないためです。

働かなくても生活できる? 禁断の毒薬「ヘリコプターマネー」があなたにも降るか

景気の回復局面は6年目に入ったが、デフレ脱却は道半ばといわれる。一方、「体感物価」の上昇で消費者の間には、なお生活防衛・節約志向が根強い。そんななか、景気をよくする「禁断の劇薬」ともいわれるヘリコプターマネーが経済に及ぼす効果を基礎から解説し、導入を勧めるのが今回の書籍「ヘリコプターマネー」だ。人工知能(AI)が進化し、多くの人間の仕事をロボットなどが担うようになる未来の経済政策としても有効だという。

それでも、根性や我慢、努力で高みを目指す人は必ずいるわけで、そうでない人との2極化が進むかもしれません。でもそれが悪いことではなく、それでも回る社会になってきたということなのでで、特に年配者は固定化された価値観を捨てどんな価値観が新たな社会システムに求められているのかを理解しなければなりません。

これから訪れるのが理想社会かはわかりませんが、これまでより良い社会であるのは間違いではないのではないでしょうか。ただ、理想社会が訪れるのを邪魔しているのが、国民からお金を巻き上げて消費を減らそうとしてる政府なのが悲しいところです。

まとめ

  • 新入社員の働く意識が変化し、「好んで苦労したくない」との考えが増加
  • 若者は社会の変化を感じ、それに適応した考え方をしている
  • 豊かな日本を作るために必要だった根性や我慢、努力の必要性が成熟社会になり薄れてきている
  • むしろ我慢などの価値観は消費を減らすため、これからは消費を増やす「楽」の価値観が必要
  • 既に慢性的なデフレなため、ヘリコプターマネーやベーシックインカムが必要な時代に