次は日本?ベネズエラがハイパーインフレに

ベネズエラの政治と経済が混乱し、ハイパーインフレになっています。

ベネズエラ、通貨5ケタ切り下げへ ハイパーインフレ

南米ベネズエラ政府は25日、ハイパーインフレに対応するため、通貨の単位を5ケタ切り下げるデノミ(通貨単位の切り下げ)を実施すると発表した。これまで3ケタを切り下げるとしてきたが、国際通貨基金(IMF)が同国の物価上昇率について年内にも100万%に達すると発表するなど上昇ペースが加速しており、対応しきれないと判断した。

物価上昇率は年内にも100万%に達するということですが、2%の目標さえ達成できない日本とは国情がかけ離れているようです。

需要を満たすモノやサービスが供給できないからインフレに

インフレとは、モノやサービスの価格が上がることを意味します。ベネズエラがハイパーインフレになっているのは、需要に対して極度にモノやサービスが不足しているからです。自国の紙幣の印刷でさえ海外に委託しているということですから、あらゆる製品の供給は海外からの輸入に頼っていることは容易に想像できます。

そんなベネズエラですから、外貨準備が不足し自国通貨安になれば輸入が滞り、国内でモノやサービスが流通しなくなります。価格は需要と供給のバランスで決まりますから、需要に対して供給が極度に足らなくなることでハイパーインフレになってしまいます。しかしインフレ率100万%とは想像もできない異常な状態です。

供給能力の高い日本でハイパーインフレを起こすのは困難

日本人はそれほど意識していませんが、日本ほど自国で食料やエネルギー以外は何でも調達できる国はありません。製造業に強い国とされる中国や韓国でも、生産に必要な工作機械などの生産財は、日本からの輸入に頼っているのが現実です。

そのため海外との取引では常に黒字になり、外貨準備は潤沢にあります。また、通貨安になりエネルギーや食料のコストが高まったとしても、国内の輸出産業が好調になり円がまた強くなるという調整効果が働き物価は安定します。

日本でもっともインフレ率が高かったのは、国土がズタズタにされ供給力が破壊された大東亜戦争の後ですが、それでも400%程度です。そんな状態でも日本人は働き、5年程度で物価が安定するまで供給能力は回復しました。最近では西日本豪雨災害により、冒頭の写真のように一時期スーパーの商品がスカスカになりましたが、数日で回復するほど日本には高い供給能力があるのです。

そんな日本でハイパーインフレを起こすには、再び戦争で焦土と化すか、大地震と津波で多くの生産設備が被災するという状況でない限り難しいでしょう。それでもベネズエラ級のハイパーインフレは無理でしょうけど。

日銀の量的緩和が導入される前、日本でもハイパーインフレが起こると主張する識者が少なからずいました。インターネットメディア『アゴラ』を主催する池田信夫氏もそうです。

インフレは起こらないがハイパーインフレは起こる

同記事は2012年11月に書かれていますが、5年以上経過していますがハイパーインフレの兆候はなさそうです。彼らが卑怯なのは、「いつか」くるといいながら期日を明言しないことです。財政破綻も「いつか」起こるといわれながら、もう30年が経ちます。そんな実体のない恐怖に備えることで緊縮財政は進み、日本は世界で唯一成長できない国に落ちぶれてしまったのです。

「財政破綻」や「ハイパーインフレ」が起こるメカニズムを知れば、日本で起こる可能性の低さと供給能力の重要さに気づくはずです。供給能力をさらに高めるためには、経済成長は欠かせません。だから今必要なのは、経済成長を鈍化させる消費増税ではなく、公共事業を含めた積極財政で経済成長の好循環を作ることなのです。

まとめ

  • ベネズエラがハイパーインフレに
  • ベネズエラの輸入に頼る経済構造が、通貨安によるハイパーインフレを引き起こす
  • 日本は供給能力が高く、ハイパーインフレになる可能性が極めてい低い
  • 日本で高いインフレ率になるのは、戦争や大震災で供給能力が大規模に棄損されたとき
  • 日本では財政破綻やハイパーインフレなど実体のない恐怖に備え、経済成長を止める政策が進められてきた