かなり使える『グーグル翻訳』。YouTubeの自動翻訳はまだ改良の余地あり

グーグル翻訳』が、かなり使えるレベルに到達しています。大きく翻訳精度が高まったのは、ニューラルネットワークを採用したのが要因です。ニューラルネットワーク翻訳は、人間の脳の働きに似たアルゴリズムにより自ら深層学習することができ、翻訳例文を覚えてさせていくとで少しずつ賢くなります。これが無料で使えるのですから、有料翻訳ソフトにとっては厳しい時代になりました。

文章の翻訳はかなり高いレベルにあるが、音声翻訳はまだまだ

試しに、米国のYAHOO!トップページをグーグル翻訳しました。ホームページの翻訳は、以下のようにGoogle検索したタイトルの横に表示される「このページを訳す」を押すだけでできます。

一瞬で、以下のように英和翻訳されたトップページが表示されます。翻訳の精度をみていきましょう。

「高死亡率リスクに関連する低炭水化物ダイエット:研究
炭水化物の1日あたりのカロリーのおよそ半分を摂取する中年の人々は、低炭水化物ダイエットの人々よりも数年長く生きる傾向がある、と研究者は言う。」の訳文に対して原文は、

「Low-carb diet linked to elevated mortality risk: Study
Middle-aged people who get roughly half of their daily calories from carbohydrates tend to live several years longer than those with low-carb diets, researchers says.」です。

うん、完璧です。ちなみに本文の方も翻訳しましたが、どうしても不自然で意味不明な箇所も出てきます。しかし、これまでの翻訳ソフトのようなぎこちなさは消え、自然でミスも大幅に減少しているように感じました。タイトルの翻訳が完璧だったように、簡潔で文法に忠実、かつ理解しやすさを優先した英文であれば、かなりの高い精度での英和翻訳が可能なことが分かります。

ちなみに、YouTubeの翻訳機能はどの程度正確なのかを確認していみましたが、こちらはまだまだ課題がありそうです。YouTubeで原文の字幕を表示させるには、動画の右下のアイコンを押します。和訳したものを表示させる場合は、隣のギアのアイコンを押し、字幕から「日本語」を選択します。

YouTubeは音声認識技術を利用して、自動的に動画の字幕を作成できますが、音声の発音が明瞭かどうかで機械の聞き取り精度に大きな違いが出ます。音声の英和翻訳の場合、英語を機械が正確に聞き取れないと当然和訳の精度に大きく影響が出てしまいます。

音声翻訳の精度を高めるためには、どれだけ正確に声を聞き取れるかにかかっています。逆に言うと、機械が聞き取りやすいようにはっきりと発音することで、現状でもかなり精度の高い音声翻訳ができることを意味します。

今後英語を学習する必要はなくなるのか?

昔から英語教育に熱心な日本ですが、これだけ自動翻訳機能の精度が高まると、英語を喋れるようになる必要はないような気さえしてきます。それはある意味正しく、デバイスを介する必要がありますが、わざわざ長時間をかけて英語を覚えなくても簡単なコミュニケーションは既に可能です。

日本で英語を習得しようとすると、かなりのコストと時間が必要になります。現状のように、誰もが英語学習に多くの時間を割く必要はないのかもしれません。英語より、個々の特性に応じたスキルを伸ばした方が賢い選択だと思います。ぼくが子どもに英語を教えていないのは、面倒くさいのもありますが、そのような理由からです。

じゃあ、英語を勉強してきたことを後悔しているのかと聞かれれば、そういう訳でもありません。サラリーマン時代も英語力を活かし、産業機械を海外へ設置し、現地の作業員をトレーニングしたり、副業でも翻訳したりするなどで役立ててきました。しかし、いまとなって気が付いたのは、英語はコミュニケーションの手段でしかなく、重要なのは何を伝えるかということです。ぼくの場合、たまたまサラリーマン時代にテクノロジーを学ぶことができたため、それを活かして現在は収入を得ていますが、英語ができるだけでは高い付加価値は生まれません。

現段階では、機械翻訳が正確に翻訳できるのは基本的な分野に限られています。機械翻訳では不安が残る部分に、付加価値が生まれます。英語学習は決して無駄ではありませんが、プラスαとなる知識が重要であることを認識した方がよいでしょう。また、英語、日本語に関わらず文脈を深く理解するためには、母国語をしっかりと身につける必要があり、第二カ国語を学ぶのはそれからでも遅くないと思います。

まとめ

機械が、通訳・翻訳を担う時代が近づきつつあります。『POCKETALK』というポータブル翻訳デバイスも実用化されており、東京オリンピックでの需要を見込み、今後同様の翻訳デバイス市場は拡大するでしょう。翻訳者・通訳者の役割も変わっていくと思います。単に言語を訳すだけでなく、情報過多の時代ですから伝える情報の選択やタイミングなども重要になってくるでしょう。ぼくがいまやっているライティングには、企業のプレスリリースを記事化する仕事も含まれます。日本語の原文をより理解しやすく日本語で編集する仕事だってあるのです。文章を扱う仕事がAIに奪われつつあるのは事実ですが、まだまだ人にしか対応できないこともあり、むしろAIと協業することで有用な情報発信をしていくことが求められているのだと思います。