次世代自動車の駆動システムの有力候補「インホイールモーター」

先日ラジオで、次世代カーの駆動システムの候補として、インホイールモーターが開発されているとの話題が取り上げられていました。

次世代カーの駆動システムの有力候補「インホイールモーター」

インホイールモーターとはホイールとモーターが一体化した電気自動車(EV)の駆動システムで、4輪の個々のタイヤをモーターが直接制御するので、従来のドライブシャフトを介した制御よりエネルギーとタイムロスが少なく、アクセル操作の反応も高まり、より自由度の高い運転ができる技術として注目されています。

ホイールと一体化していなくても、車輪近傍にモーターを搭載することで車のレイアウトの自由度が向上し、より広い車内空間を作ることも可能になります。実用化が近い将来実現されるとみられる自動運転車とともに、車の形を大きく変える技術になりそうです。また、走行中の車のインホイールモーターに給電できるシステムを路面に配置する実験も進められており、EV最大のデメリットとされるバッテリー容量の少なさも解消されるかもしれません。

インホイールモーターの実用化は、路面の衝撃が伝わりやすい箇所へのモーターの配置になるため耐久性が求められる他、水害などに遭った場合の安全システムの開発などのハードルがありますが、昨今の目覚ましい技術進歩ですから実用化されるのはそう遠くないかもしれません。

ラジオDJが言っていましたが、小型ジェットエンジンをホイールに搭載して飛行できるスカイカーの実現も夢ではない時代になったのかもしれません。

MoT(モノのモーター:造語です)の時代に

ここからは戯言になりますが、インホイールモーターと聞いて頭に浮かんだのがクエンティンデュピュー監督の映画『ラバー』です。ロバートという名前の1本のタイヤが、動物や人々を殺戮しながら旅(?)をする異色のロードムービーです。

キレやすい(?)タイヤが体を震わせ、ターゲットとなったモノ・動物・人を内部から爆発させる能力のあるタイヤの話で、ストーリーやメッセージ性を理解することはできませんでした。そもそも、そんなものはないのかもしれません。

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)という用語が話題になっていますが、これからはMoT(Moter of Things:モノのモーター)の時代の到来をインホイールモーターとラバーは予測させます。殺傷能力を持たなくても、IoTとMoTを組み合わせられれば生活様式を一変させるインパクトがあります。必要なモノがあっても取りに行く必要はなく、スマホで呼び出せば向こうからやってきますから。

また、モノを使った後も放ったらかしても、モノ自身で自分の位置に戻ることができるので掃除の手間も省けます。「そんな馬鹿な」と思われるかもしれませんが、約300年以上の歴史のある箱根の老舗旅館「塔ノ沢一の湯本館」ではそんな光景がみられます。

この遊び心満載の取り組みは日産自動車との共同プロジェクトで、同社の車に搭載される運転支援技術を活用し、「旅館が提供する“おもてなし”をどう変革できるか」に挑んだ「ProPILOT Park RYOKAN」と呼ばれるものです。玄関や客室などの天井にカメラを設置し、スリッパや座布団などの位置を認識し、散らかったスリッパや座布団などを自動的にあるべき位置へ移動させるシステムを採用しています。

まとめ

倉本 聰氏が「もう進歩はいい」といっていたそうです。その本心が何を意味するのか分かりませんし、本人が何を思おうと勝手ですがまったく同意できません。このような年を召した方からは、「日本は十分成熟した、これからは心の時代だよ」なんて言葉をよく聞きますが、これからのことは、これからの世代の人たちに任せてほしいのです。

バブル崩壊後からの節約志向は根強く、技術革新は進んでもスピーディに多くの人々に恩恵が行き渡る環境が整っていないように感じます。高度成長期の人手・エネルギー不足は省人・省エネ技術の革新で乗り切ることができました。人手不足の時代が再びやってこようとしています。「安く長く働かせる」これまでのやり方は通用しません。乗り切るには、人の生活を便利かつ効率的にするテクノロジーの進歩が欠かせません。そのために頑張っている人はいます。そんな人たちの気力を削ぐ、「もう進歩なんていいよ」なんて言葉は絶対に使わないようにしましょう。