全国民で対処すべき人手不足問題。物流業界を救う「後続無人隊列走行」の実用化

自動運転車の開発が日々進められています。自動運転車といえば、ぼくたちが一般的に乗るような乗用車が自律運転するイメージを持ちますが、関連技術でいち早く実用化が期待されるのがトラックが隊列を組んで走行する「後続無人隊列走行」技術です。

トラックの無人隊列実現へ 豊田通商が先進技術公開

豊田通商は28日、有人で走る先頭のトラックを無人の後続車で自動で追従する隊列走行の技術を報道陣に公開した。自動運転技術の開発で協力する先進モビリティ(東京都目黒区)の成果で、経済産業省などの事業の一環で来年1月には高速道路で実証実験を開始。早ければ2022年度に実用化し、人手不足が深刻化する物流業界の業務効率化につなげる。

人手不足の物流業界で期待される後続無人隊列走行

後続無人隊列走行は、先頭のトラックを人が運転して、後続のトラックが自動運転で追尾するシステムのことです。経済産業省と国土交通省が豊田通商や国内のトラックメーカーと進める実証実験が、先日公開されました。トラック3台が車間距離を設定の10メートルを維持しながら隊列で走行し、時速70キロでカーブを曲がり、スムーズな車線変更を披露しました。経産省は早ければ2022年の実用化を目指すといいます。

先頭トラックは高精度のGPSで位置情報を後続車に送ります。GPS信号が届かないトンネルなどの場所では、レーダーで前の車の位置を把握し、先頭車の位置に動くよう制御されます。一般車両が車列間に入り込まないよう車間距離は10メートルを保ち、先頭トラックが急ブレーキをかけても追突しないよう、先頭トラックがブレーキを踏む瞬間に後続車は減速度を予測してブレーキを制御すします。一定の車間を保つのが協調型車間距離維持支援システム(CACC)で、車両の前方に搭載したレーダーと車間通信によって先行車両の加減速情報を共有し、より精密な車間距離制御を行います。

実証実験ではいずれのトラックにも安全確保のため人が乗りましたが、将来は先頭トラック以外の無人化を実現しますので、これまで3人で3台のトラックを運行させていたのが1人でできるようになり、大幅な省人化が可能になります。インターネット通販の拡大で荷物量は増える中ドライバーの高齢化が進み、物流業界では人手不足が深刻化しています。導入コストの問題などもありますが、業界での期待は高まっているといいます。

普及のために乗り越えなければならない壁

とはいえ、高速道路を建造する段階では同技術の導入など想像もしていなかったため、高速道路が隊列走行に適したデザインになっていないという問題があります。トラックが3台以上連なって走るわけですから、合流が一般車の協力がないことには難しくなります。また、車列への一般車両の割り込みを禁止にするなど、法整備も必要になります。いまのところ、片側3車線の走るレーンを固定することで周りへの混乱を回避する予定ですが、地方の高速道路は片側2車線が多く、中国やまなみ街道など一車線の高速道も珍しくありません。

他にも、悪天候などでも安全が確保できるように通信を維持する技術の確立、通信速度を確保することにより車両の挙動を安全に保つ技術の確立、故障などの際に安全に停止する措置を講じる技術の確立など、技術的な対策も必要になってきます。

まとめ

乗り越えるべき壁の困難さを考えると、一般車の完全自動運転車の実現と同様難易度は高いように感じますが、人手不足という日本全体で対処すべき問題の解決のため、国民全体で協力する空気を醸成することで実用化に一歩ずつ近づいていくのかと思います。しかし、バスの進路さえ妨害する意識の低いドライバーを見る度に、民度の高い日本人というこれまでの見方に疑問を感じるのも正直なところです。監視されなくても正しい行動ができることが理想ですが、いっそのこと全車両と道路上をすべてカメラで監視することで、安全な交通システムを築いていく方が手っ取り早いのかもしれません。