東大卒が間違った論説を展開。負債と資産は同時に生まれお金は使っても消えない

金利上昇の「Xデー」とやらが近づいているようです。

金利上昇の「Xデー」で住宅価格は下がる 15年後の空き家率は2倍の30%

「買わずに済むのであれば、買わないほうがいいでしょう。貸す側は当然『今なら住宅ローンが低金利で借りやすい』『今のうちに買ったほうが得』と煽るでしょう。でも、冷静に考えたいのは今の住宅価格はこうした“借りやすい状況”を前提に決まっているということ。今後、金利が上がり、住宅ローンを組みづらくなれば、必然的に住宅価格も下がることが予想されます」(経済評論家の山崎元氏)

金利が上がるときは経済環境が好転するとき

冒頭の記事の発言は、東京大学経済学部卒の経済評論家山崎 元氏のものです。日本の最高学府である東京大学の出身者が、まさか基本的な経済の法則を理解していないとは考えたくないのですが、「金利が上がる」ことの意味をわかっているのか疑問に思います。

米国の金利上昇が昨今の話題ですが、米国の好調な経済を反映してインフレ率が2%を超え、失業率が低下していることが金利上昇の背景です。つまり、景気が過熱しインフレ率が上昇し過ぎないよう金利を上げたわけです。日本で金利が上がるとしたら、景気がそれだけ回復したことを意味します。当然インフレ率も2%程度は継続して上がることになるため、多少金利が上昇したとしても名目の所得も継続して増えますので、住宅ローンの負担が軽くなります。住宅ローンが組みづらくなり住宅価格も下がるどころか、その逆の可能性の方が高くなります。

しかしながら、いまのような内需の低迷と緊縮財政が続くようであれば、景気の好転にともなう金利上昇は望めません。「財政が破綻する」や「金利上昇する」は、過去20年以上も言われ続けてきたことですが、どちらの可能性を予測させるような指標は一切表れていないのです。以下の金利の推移をみただけで、いまの経済環境で急上昇するとなぜ考えるのか不思議に思います。


source: tradingeconomics.com

負債が増えれば資産も増えるしお金も消えません

続いて、こちらも東京大学法学部卒の大和総研常務執行役員チーフエコノミスト熊谷亮丸氏の登場です。

金利上昇は何度も示唆されてきたが、いよいよXデーが訪れるのか。猶予期間は「さほど長くはない」(熊谷氏)という。

はいはい。金利上昇が「さほど長くはない」うちにやってくるのですね。それだけ自信があるということは、本人自ら固定金利でローンを組んでいるはずだし、投資もそれを見越したポジショニングをとっているはずですね。そちらのアドバイスもよろしくお願いします。

また日本の財政破綻を信じる人は、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を買えば、日本政府が財政破綻したときに大儲けできます。現在のレートは0.2%で、国債市場で最低水準です。つまり市場は、日本国債の破綻の可能性がほとんどないと判断しているわけなので、いまのうちに大量に購入することをすすめます。それだけの覚悟の上での発言であれば、こちらとしても尊敬せざるを得ません。

また熊谷氏は、以下のように述べています。

「各国の政府債務残高と長期金利を見ると、日本だけが異常値を示しています。政府債務残高に対して、長期金利が低すぎる。これまでは国内の金融資産残高が国債発行残高を上回っていたため、日銀が国債を買い占めることで、低金利を維持してきた。しかし、今後は高齢化による貯蓄の取り崩しが進み、国内の金融資産残高が減ってくる。財政再建の進み具合にもよりますが、早ければ、2020年代半ばにかけて、大きく金利が上昇する可能性があります」(熊谷氏)

「各国の政府債務残高と長期金利を見ると、日本だけが異常値を示しています。政府債務残高に対して、長期金利が低すぎる。」といいますが、日本が低金利なのは、ほとんど国内でしかも日本円建てで政府債務が消化でき、かつ20年低成長という異常な国だからです。

「これまでは国内の金融資産残高が国債発行残高を上回っていたため、日銀が国債を買い占めることで、低金利を維持してきた。」といいますが、国債発行すれば国内の金融資産残高が増加するため、国債発行残高が金融資産残高を逆転することは不可能なのです。借金の相手が外国だったら可能ですが、国債のほとんどが国内で消化できる日本では無理なのです。これは、データをちょっと調べればわかることなのですが。

「しかし、今後は高齢化による貯蓄の取り崩しが進み、国内の金融資産残高が減ってくる。」といいますが、高齢者に限らず誰かが貯蓄を取り崩し消費をすれば、誰かの金融資産が増えるため国内の金融資産残高は減りません。国内の金融資産残高を減らすには、政府債務を税金で返済するしかありません。借金が生まれればお金が生まれる。この法則さえ知っておけば、借金を返せば資産が減ることが容易に理解できます。

「財政再建の進み具合にもよりますが、早ければ、2020年代半ばにかけて、大きく金利が上昇する可能性があります」といいますが、これまで述べてきた理由により「ああ、そうですか」としか返すことができません。

まとめ

東京大学を出てそれなりの立場に立っている人たちがこの程度の経済認識とは、日本経済がダメダメになったのも頷けます。しかし、ほとんど勉強をしてこなかった低学歴のぼくでも、インターネットの情報革命により東大出身者の経済学者よりまともなお金に関する知識を付けることが可能なのです。まだ少数派ですが、着実に既存の経済評論家の矛盾に気付いている人たちが増えています。これが一定の割合になったとき、まともな日本が生まれるという希望を持ち続けたいです。