豪雨の場所と時間を正確に予測するAI。経済予測にも導入すべきAI

AIの導入については賛否両論ありますが、今後は否応なしに生活の一部をAIの予測に委ねざるを得ない時代がきます。

2018年9月15日、NHKで『人工知能 使か悪魔か 2018 未来がわかる その時あなたは…』が放送されました。米国では犯罪予測にAIが導入され、大きく犯罪件数が減少しているといいます。日本でも、急増するインバウンドや東京オリンピックの防犯・テロ対策にAIを導入する動きが進められています。混雑する場所を捉える監視カメラが怪しい動きをする人物を特定するといった、人には不可能な規模と正確さで犯罪を未然に防ぎます。

AIが9割の精度で豪雨を予測

2018年7月上旬に起きた西日本豪雨では、多くの人が適切な避難行動をとらなかったために犠牲になりました。広島県在住のぼくのスマホにも、7月6日の午後から「避難勧告」や「避難指示」といったメールが届きましたが、近くの避難所に退避する行動を起こすには至りませんでした。「大雨が降ってるなあ」との認識はありましたが、近隣の川の氾濫や道路の崩落、土砂崩れが続発するような深刻な被害が出ることはまったく予測していませんでした。

しかし、世界最大の民間気象情報会社ウェザーニューズは、 7月5日14:00に気象庁が記者会見で警戒を呼び掛ける14時間前、広島、岡山、愛媛などで歴史的な豪雨になる可能性をHPで予測していたといいます。

「#減災リポート」(サンプル) 出典:ウェザーニューズ

ウェザーニューズは今年2月に導入したAIで、約9割の精度で雨の降る時間を予測できるといいます。従来の天気予測は気圧や温度、風速などの観測データなどを基に、膨大な計算を地道に行うことで導き出していました。しかしAIの天気予測は、これまでとは全く違った技法で正確な降雨の時間と場所を予測できます。使うのは雨雲レーダーの画像だけで、過去3年分の雨雲の画像を学習して雨雲が時間と共にどう変化するかパターンを導き出します。それを現在の雨雲画像に当てはめ、今後雲がどのパターンに則って変化するかを予測するのです。

論理的な計算に頼る人間には不可能な作業です。原因と結果の因果関係がはっきりしていなくても一番確率の高い答えがでてくるのが特徴で、250メートル四方のピンポイントで降雨を予測できます。しかしAIは予測はしますが、その根拠は示さないブラックボックスであるともいわれます。あくまで過去の膨大なデータからの予測なので大きく外れる可能性も僅かながらあり、根拠を天気予報士が裏付けることで予測の精度はより高まります。

経済にも導入して欲しいAI予測

経済予測は外れて当たり前」、と考えていませんか?「2年でインフレ率2%」、「消費税を上げても景気は悪化しない」など政府や日銀の予測は外れるのが常で、プロであるはずの経済評論家の「財政破綻する」、「金利が上昇する」、「ハイパーインフレになる」などの予測は、数十年言われ続けているのにその兆候さえ見えず、当の本人たちはいまでも間違いを認めていません。

国民ものんびりしたもので、生活の根幹である経済状況が悪くなっても予測を外し続けてきた政治家や評論家を責めることはなく、「まあこんなもんだろう」と現状に甘んじてきました。そこには、政治家や専門家がやってダメなら仕方がないという、諦めの心境があるのかもしれません。

しかし、2019年10月の10%への消費増税はさすがに看過できません。景気の低迷は伸びない個人消費が原因との共通認識がありながら、また、これまでのパターンから消費増税で個人消費が落ちると認識しながら、消費増税を強行しようとしているのです。財政健全化を目指すといいながら、消費増税による個人消費の落ち込み、さらに企業の業績悪化による法人税・所得税の落ち込みが減収につながる可能性があるとの予測は容易にできるはずです。

そんな単純な予測でさえできない政府ですから、いっそのこと経済政策決定にAI予測を取り入れてみてはと真剣に考えます。AI予測を実際に採用しなくても、後々「AIの方が正しかったよね」ということになれば、政治家や国民の間でもAI予測の導入に前向きになる機運が高まってくるのではないでしょうか。経済評論家からは大反発がくるでしょうが、政策決定に関わってきて「失われた20年」に導いてきた経済評論家や、「日本は成熟社会だから経済成長できないんだよ」と開き直る政治家や経済評論家たちには、即刻退場してもらいたいというのが正直な気持ちです。

まとめ

「最小不幸社会」というふざけたスローガンを掲げた首相もいましたが、AIが目指すのは「最大幸福社会」の実現です。どの選択をしたら、幸福になる可能性が一番高いのかを導きだしてくれるからです。同NHKの番組で象徴的な場面がありました。心臓移植の順番をAIが決めるというもので、基準となるのが「移植した結果誰が一番長生きできるか」ということです。もちろん、AIに選ばれなかった人たちは不満を持ちますが、移植した結果、直ぐに亡くなってしまえば誰も幸福になれません。難しい選択ですが、特定の個人ではなく人類全体の幸福を優先するという前提であれば、AIの決定でも多くの人が納得するのではないでしょうか。とりあえずAIには、過去に予測を外してきて日本人を不幸にしてきた政治家や経済評論家の選定からお願いします。