安倍首相が総裁選で勝利。積極的に支持できませんが石破氏よりマシです

石破氏が総裁選で「善戦」したかどうかが話題になっています。正直、「負けは負け」と素直に認めればいいと思いますが、マスコミは「善戦」を強調し、石破氏本人まで「自分は善戦した」と言っているのですから始末に負えません。

破茂元幹事長、麻生太郎氏に反論 「善戦でないというのは党員の気持ちとずれている」

自民党の石破茂元幹事長は21日、麻生太郎副総理兼財務相が石破氏の総裁選での得票をめぐり「どこが善戦なんだ」と発言したことを受けて、「党員の45%が(自分を)支持したのはすごいことだ。『善戦ではない』というのは党員の気持ちとずれが起きているのではないか」と反論した。都内で記者団に語った。

党員が選んだのは安倍首相

出典:自民党HP

まず、自民党総裁選の結果を確認します。

安倍首相 議員票 329票 党員算定票 224票 計553票

石破氏  議員票 73票   党員算定票 181票   計254票

結果だけをみれば安倍首相がダブルスコアで「圧勝」していますが、安倍首相が獲得した地方票(党員算定票)が55%で、目途としていた6割を割り込んだため石破氏が「善戦」したのではないかとみられています。

しかし石破氏は6年前の総裁選の第1回投票で165票の地方票を獲得しており、安倍首相の87票を大きく上回っていました。今回の総裁選でも石破氏は地方票を重視し、地方を重点的に回ってきました。それでも地方票は安倍首相を上回ることができず、割合でみれば安倍首相は6年前の29%から55%に伸ばし、石破氏は55%から45%と減らしているのです。より国民の声を反映しているといわれる地方票においても、石破氏より安倍首相が総裁にふさわしいとの声が上回っているのに、本人が「善戦した。これが国民の声だ」なんて主張し、しかもほとんどのマスコミが同じ論調であることに異様さを感じます。

普通に判断すれば石破氏より安倍首相でしょう

6年前に期待されたアベノミクスが不発なため、正直、当初アベノミクスが掲げていた機動的な財政政策によるデフレ脱却に真剣に取り組んでくれる人を首相に迎えたいのですが、残念ながら党内には有力候補になり得そうな人がいません。いまの状態で対立候補の石破氏が首相になってしまうと、徐々に回復軌道にある日本経済が失速しかねません。「石破氏善戦」の報道が株価を下げたのが象徴的です。

石破押しの既存メディアからは、石破氏に対する批判はほとんど聞こえてきませんが、ぼくはこの人の発言を聞くたびに「大丈夫か?」と疑問を持たざるを得ませんでした。例えば…

石破茂氏、死去した樹木希林さんの映画引き合いに「万引しないと暮らせない人も働ける環境を」 銀座で訴え

自民党総裁選(20日投開票)に立候補した石破茂元幹事長は17日、東京・銀座で街頭演説を行い、15日に死去した女優の樹木希林さん出演の映画「万引き家族」を引き合いに「悪いことだが、万引しないと暮らせない家族がある。どうしたら幸せに暮らせていけるか。その人たちが働ける環境を作っていかないといけない」と語った。映画は、生活苦のため盗みを繰り返す一家を描いている。

悪いことだが、万引しないと暮らせない家族がある。どうしたら幸せに暮らせていけるか。その人たちが働ける環境を作っていかないといけない」と語った、とありますが、もし安倍首相が同じ発言をしたら、メディアから大バッシングを受けそうな軽率な発言です。本当に「万引しないと暮らせない家族」がいてそれを認識しているのであれば、それは生活保護の制度が正常に機能していないことを意味し、最低限の生活を保障する憲法25条違反であり、「働ける環境」がどうとかいう問題は本質ではありません。「そんな状態を有力な政治家であるあなたは放置しているのですか?」と突っ込むべきです。

また、同じ記事中に以下の発言が取り上げられています。

また、石破氏は「国民1人1人の所得を10年で3割伸ばす。消費税を上げてもやっていける経済環境を作るのが第一の仕事だ」と述べ、中小企業や農林水産業などで働く人の所得向上に力を入れるとした。

石破氏は2019年10月の消費増税に賛成しています。10年かけて消費税を上げてもやっていける経済環境を作るというのであれば、消費増税を延期するのが筋ではないでしょうか?消費増税が景気に悪影響を及ぼすことは政府も認めています。それでは「景気を良くする」といいながら、増税や社会保険料の負担増、緊縮財政などでブレーキをかけてきた安倍政権と同じです。むしろ消費増税を2回先延ばししてきた安倍首相より、積極的に消費増税を進めようとしているのが石破氏です。なぜ地方票で45%も獲得できたのかが不思議なくらい言葉は軽率で、実体を伴っていません。

まとめ

今回の総裁選の結果は、失業率の低下や企業業績の回復などアベノミクスの成果に一定の評価がされたのだと思います。一方で賃金の伸びが鈍いなど、国民全体に十分な恩恵が行き渡っていないとの指摘もあり、残りの任期でどれだけ国民生活を豊かにできるかが試されています。近年では、相次ぐ災害による被害の拡大で、インフラの脆弱性が問題となっています。外需主導の景気回復の限界がみえてきたいま、財政出動による国土強靭化、内需拡大の期待が高まっています。安倍首相の手腕により、日本の未来が大きく左右される大事な時期にきています。