「人手不足」って待遇を改善したくない経営者たちの言い訳なのでは?

安倍政権は人手不足を背景に、外国人労働者の受け入れ拡大を目指しています。

外国人労働者受け入れは26万~34万人

2019年4月の外国人労働者受け入れ拡大を目指す政府は、19年度以降の5年間に百三十数万人の労働者が不足し、外国人労働者の受け入れ見込み人数を26万~34万人程度と試算した。

外国人労働者を増やす理由とは?

記事を読むと、年間の外国人労働者の受け入れ見込み人数を26万~34万人程度とする方向で進められているようです。受け入れ拡大に反対な人たちからは「移民法」とされる今回閣議決定された法案ですが、正確には現行の法律「出入国管理及び難民認定法」を略した入管法の改正案のことです。

改正案が閣議決定された一番の理由は、生産年齢人口の減少に伴う人手不足に対処するためです。1990年代前半には約8700万人いた生産年齢人口は2016年には約7600万人まで減っており、少子化のためこの傾向はこれからも続くとみられます。

現行法で日本で働ける外国人は、留学生、技能実習生、医師や大学教授など高度人材に限られています。中でも長期で働けるのは高度人材だけで、実際に労働力として期待される留学生や技能実習が、長期間日本で働けるように入管法を改正しようとしています。

2017年10月時点で日本における外国人労働者の数は128万人に上り、日本で働いている人口の約2%に当ります。ここ5年間で約60万人と急増しており、今後5年で人数を26万~34万人程度と想定しているため、「受け入れ拡大」といっても増加ペースは落ちることになります。ただこれまでの3パターンに加え、特定技能1号と特定技能2号という枠が広がるため、より外国人が働きやすい環境が整うことになります。

日本は本当に人手不足なのか?

ぼくのパート先でも、ミャンマー人の技能実習生が10人程度働いています。いちパートなので正確な労働環境は分かりませんが、みた感じでは会社が人手不足で困っているようには思いません。ミャンマー人たちを含め、とても余力を持って働き、5時きっかりに退社する人たちがほとんどです。

これもぼくの主観なのですが、この会社で働く人たちは決められた仕事しかしたくないため、暇な時間があっても忙しい人を手伝おうという気持ちにならず、その穴を埋めるためにミャンマー人を雇っているような気がします。ぼくもそうで、パートで配送係として雇われているため、決められた仕事が忙しいときは人に頼らず何とか対処しますが、暇なときは他の人たちをサポートしようという気にはなりません。そのような契約でもないし、そのことで時給が上がることはないからです。つまり労力に応じて待遇が良くなるというインセンティブがない限り、自分の仕事以外がどうなろうとしっちゃこっちゃないのです。

人手不足というのは、実は仕事に応じて待遇を良くしようという制度が欠けている企業側に問題があるように思います。大企業を除き、業績の厳しい企業が待遇を良くできないのは当然でしょう。日本は約20年間経済成長していないため全体のパイが増えず、労働者全体の所得が毎年当然のように増えていた時代はとうの昔に終わってしまっているのです。

しかし、そのとうの昔は今より人手不足で困っていました。今ほど雇用の規制緩和が進められておらず、非正規や外国人労働者の雇用で対処できなかったため、待遇の改善と生産性の向上で対処するしかなかったのです。

その結果、家計に余裕ができ消費が増え、さらなる好景気になるという好循環が生まれました。成果を出せば給料が上がるため、労働者も会社に愛着を感じ、一生懸命働いていたのでしょう。当時は生産年齢人口の増加より、はるかに速いペースで経済成長していました。生産年齢人口が減少するから経済成長できないというのは、詭弁に過ぎません。企業は安い労働力の確保とという安易な方法ではなく、少ない人数でも生産性を向上するという正当な手段を追求するべきではないでしょうか。

まとめ

外国人労働者がいないと日本の企業は立ち行かない、という経営者の声をよく耳にします。しかし、現場で長く働いてきたぼくには、単なる言い訳のようにしか聞こえません。これまで嫌になるほど無能で、部下たちに無駄な仕事や残業をさせ、一生懸命生産性を落とそうとしている上司をみてきたからです。いわゆる「人手不足」は、そんな人たちをのさばらせてきた経営者たちの報いなのではないでしょうか。