確かに社会は変わりつつある。テクノロジーも経済もシェアリングへ

最近は、メディアアーティストと称する筑波大学教員、落合陽一さんの動画をよく視聴しています。多くの天才がそうであるように、本人は分かりやすく話しているつもりでも何を言っているのかよく分からないことも多く、最初は聞くのが苦痛だったのですが徐々に落合節に慣れてきました。ホリエモンと共著があるなど、同じような価値観を持っているのかと思いましたが、社会や人に対する「やさしさ」が全然違うなあ、と感じました。

拝金主義では成長できない日本経済

落合氏やホリエモンについて、数本の動画を観た程度の認識なので正確に理解しているわけではないのですが、現時点では拝金主義というテーマに関しては非とする落合氏と、是とするホリエモンという対立軸があるように感じます。落合氏はホリエモンが嫌われている理由について、「稼いだもの勝ち」との世間的なイメージがあると見ているようです。

ホリエモンがフジテレビやWOWOW、球団を買収しようとしたことから「乗っ取り屋」とのイメージが定着しています。それに対し落合氏は、パイを奪い合うゼロサムでは意味がないといいます。例えば企業を買収しても経営権を奪うだけで、儲かる人が入れ替わっただけになります。ホリエモンは恐らく買収後に経営を見直したり、新たな事業を始めたりすることでパイを大きくしようとしていたのでしょうが、お金にものを言わせる強引な買収というネガティブなイメージはぬぐい切れないのでしょう。それに対し落合氏の、奪うのではなく新たなモノやサービスを生み出すことでパイを増やす経済を目指すべきとの主張は腑に落ちるものです。

20年間ほぼゼロ成長の日本は、増えない需要を奪い合う拝金主義的な経済に終始してきたように感じます。どんな手を使ってでも儲けた者が勝ちで、そのあおりを受けてきたのが一般労働者です。企業は不景気を理由に待遇を低く抑え、一方で成果だけは上げろと無理難題を押し付けてきます。転職が良くないことのように洗脳されてきた一般労働者は、どんなに労働環境が厳しくなろうと我慢するしかなかったのです。その限界が近づいてきており、若い世代から新たな潮流が生まれてきてるのではないでしょうか。

知識やテクノロジー、お金をシェアすることで理想的な社会へ

昨今の新たな経済の形として、シェアリングエコノミーが注目されています。知恵蔵はシェアリングエコノミーを、次のように解説します。

乗り物、住居、家具、服など、個人所有の資産等を他人に貸し出しをする、あるいは、貸し出しを仲介するサービスを指す。近年、欲しいものを購入するのではなく、必要なときに借りればよい、他人と共有すればよいという考えを持つ人やニーズが増えており、そのような人々と、所有物を提供したい人々を引き合わせるインターネット上のサービスが注目を集めている。

シェアリングエコノミーでは、購入しなくても必要なモノを必要なときだけ借りればいいので、消費活動を低減させるデフレ型経済を促進する一面がありそうです。もしくは、かつてのように所得が増えない雇用環境が、シェアリングエコノミーを必要にしてきたのかもしれません。

いずれにせよ、シェアリングエコノミーが拡大してくるとこれまでのような経済の常識が通用しなくなります。企業はモノを作るビジネス形態から、消費者の生活を良くするサービス型のビジネス形態へ変貌を遂げることが求められます。

既にテクノロジーでも、ハードやソフトをフリーで公開する動きが拡大しています。古くはフリーのOS「Linux」がありましたし、最近ではエンジニアが無償で開発に協力しているプロセッサーまであり、それらはライセンス料を払わなくても商業用に活用できます。

知識でいえば、インターネットの接続環境さえあれば質の高い学習を世界中のどこにいても受けることができます。それなのに、日本は相変わらず画一的な学校教育から抜け出せていません。また、お金に関してはシェアリングどころか、一部の人たちが独占しています。昨日逮捕されたカルロス・ゴーン氏のように、そのような守銭奴が硬直した経済を作ってきました。

そもそもお金が回らないと、資本主義は機能しません。資産家たちに社会を良くしようという気持ちさえあれば、今のような格差は広がっていなかったはずです。現状を打開するためには、再分配機能を働かせるBI(ベーシックインカム)が有効なはずですが、やはり税金を払いたくない人たちから大きな抵抗があることでしょう。

まとめ

日本では、拝金主義が当たり前の価値観になってしまい、「稼げない奴は貧乏でよし」との暴論がまかり通っています。それに対し、若い世代から異を唱える声が聞こえてくるのは頼もしい限りです。それは単なる弱者救済という観点ではなく、日本経済だけでなく、世界経済をより良い方向に向かわせる論拠に基づいている点でも素晴らしいことだと思います。「財源がー」や「人手不足がー」の議論は、既に周回遅れになっていことに気づいてほしいものです。