ゲーム理論で考える良好な人間関係。「お互い様」が成立しない関係は終えるべき

人間関係を考える上で、藤井聡氏の著書『なぜ正直者は得をするのか―「損」と「得」のジレンマ』を今でも参考にしています。かなり前に読んだ本なので、自分なりの解釈が入っているかもしれませんが、同書で説明されていた「ゲーム理論」は良好な人間関係だけでなく、国同士の関係の構築にも役に立つものだと感じています。

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ゲーム理論で人間関係を考える

オリジナルのゲーム理論に関する本を読んでいないので、本当にゲーム理論がそうであるのか分かりませんが、藤井氏は同書で次のように説明していました(と自分なりに解釈しています)。

2人(または2つの組織)がお互いに最大の利益を得るためには、お互いに利他的な行動をとることがベストです。一方が利他的な行動を、片方が利己的な行動をとり続けると後者のみの利益が膨らむことになります。また、両者が利己的な行動をとり続けると、どちらにとっても損得は生じませんが、利益を最大化することはできない、というものです。図にすると、以下のような関係になります。

A       B (利他的な行動:○ 利己的な行動:×)

1 〇      〇 利益の最大化

2    ×      〇 Aのみ利益

3    〇      × Bのみ利益

4     ×       × 利益の最大化は無理

さらに、2で利益を奪われたBが次にとるべきは、利己的な行動だといいます。Aに対して、良好な関係を続けていきたければ「もう騙されない」と意思表示をすることが大切になります。にもかかわらずBがお人好しで、Aに対して利他的な行動をとり続けると、Bは搾取されながら関係を維持することになり、甘やかされ続けるAに誤ったメッセージを送ることになり良くありません。

人間や組織同士が付き合うには「お互い様」の精神が基本になり、一方だけにしかメリットのない関係は続けるべきではなく、被害が大きくならないように早く清算すべきでしょう。

立場の違いで押し付けられる不利益

早く清算した方が良い関係性でいうと、今ニュースで話題になっている韓国と日本が良い例です。基本的に日本が〇を続けて、その度に韓国が×で応じてくる関係性が続いてきました。これは韓国だけの問題ではなく、ゲーム理論で考えるとお人よしの日本にも問題があります。最近では、韓国のちゃぶ台返しに対し「おかしい」と声をあげている日本ですが、これまではやられっぱなしでした。日本は「大人の対応」を気取っていたのかもしれませんが、それが韓国を異形の国にさせる要因にもなっていました。「お互い様」が通用しない関係は続けるべきではなかったのです。

また日本では、立場が基本的に平等な近所づきあいでは良好な「お互い様」精神が築きやすいのですが、家庭の親子、会社の上司部下や年上年下、世間の金持ち貧乏の関係ではそうなっていないような気がします、常に親、上司、年上、金持ちが有利な立場を利用し、子、部下、年下、貧乏などの弱者に対してデメリットを強制することに鈍感な人が多いような気がします。昨今の立場を利用した「セクハラ」や「パワハラ」が問題になっているのも、その表れではないでしょうか。

ぼくが転職を繰り返してきたのも、「お互い様」精神の欠ける職場に嫌気が差したという要因があります。会社組織では、上司の指示という理由だけで絶対服従が強要されます。そんな状況で、「お互い様」精神が育つわけありません。上司の不条理な指示が少ないというイメージから選んだ今の配送の仕事ですが、最近は先輩の「年上」という立場を利用した行動にうんざりしています。

ぼく 先輩 (相手が忙しかった手伝う:〇 手伝わない:×)

〇   ×

という関係が成立しつつあるからです。とりあえず対抗策として、相手が忙しくても「こちらも忙しいから手伝えない」というごまかしで、××関係を成立しようとしていますが、その関係性も持続可能とはいえないでしょう。

まとめ

弱い立場にいると、「なんでこんな簡単なことが分からなんかな?」と思うのですが、ぼくが唯一強い立場になる「親」になると、子どもがどのうように感じているか不安になります。中一の息子は、最近急速に親との距離をおこうとしています。自分もそうでしたし、思春期にはむしろ健全なことだと思いますが、「親の立場を守るために子どもに不利益を押しつけることはしない」ことが大切なのだと思います。