2019年の初怒り。抽象論で悲観的な世論を作るのは終わりにしましょう

新年あけましておめでとうございます。今年は4月30日に天皇陛下が譲位され5月1日から新元号がはじまり、10月からは消費税が10%に上がるなど、話題に欠かない年になりそうです。できれば1年後、「2019年は2018年よりいい年だった」と言いたいものですが、どうやらそれも難しそうです。

photo:PAKUTASO

抽象論で世論誘導をする悪質なメディア

笑いで始めたい2019年の初日ですが、残念ながら以下の報道を目にすると怒りしか沸き起こってきません。

世界経済は不透明 消費増税へ環境整えられるか課題

ことし10月の消費税率の引き上げに向けて、政府は2兆円を超える規模の景気対策を実施し、経済の好循環を維持したい考えです。ただ、米中の貿易をめぐる対立など世界経済の先行きは不透明感を増していて、安倍政権にとっては増税に向けた環境を整えられるかが課題となります。安倍総理大臣はことし10月に予定どおり消費税率を10%に引き上げる考えを示し、これと合わせて幼児教育と保育の無償化などを実施する方針です。

まず、「経済の好循環を維持したい」とありますが、今の状況が好循環なんて言えるのでしょうか?確かに企業業績は伸び、大企業をはじめとする一部の労働者の賃金も増えています。しかし、社会保障の負担増などで可処分所得の伸びは鈍く、将来不安のため貯蓄指向は改善されず消費が増えていません。資本主義における経済の好循環とは、企業業績の伸びとともに賃金と消費が増えることのはずです。今のような海外の消費増による企業業績の伸びは、グローバリズムでは好循環でしょうが、内需拡大へとつながる健全な好循環とはいえません。

そんな状況で、さらに国内消費を減らす消費増税を断行するなんて常軌を逸しています。それを見越して
2兆円を超える規模の景気対策を実施するといいますが、消費増税をしないことがもっとも効果的な景気対策になるのは明らかです。メディアがどうしても増税の必要性を説きたいのであれば、消費増税をした場合とそうでない場合の、将来的な税収の予測を出して欲しいものですが、不思議とそのようなデータをオールドメディアでみかけることはありません。

米中貿易が世界経済にとってマイナスになる理由は?

また、 世界経済の先行きの不透明感の主な理由として、「 アメリカと中国の貿易をめぐる対立の激化や、アメリカのトランプ大統領の政権運営に対する懸念」を挙げていますが、なんでもかんでも景気の悪化をトランプ大統領に結びつける世論誘導を懸念しています。

トランプ大統領の登場にかかわらず、リーマンショックから10年の景気拡大期を経て、世界経済は減速局面に入るとの懸念は前からありました。その要因はさまざまですが、景気拡大期でも世界的に所得の伸びは鈍く、中間層が育たなかったことが大きいと個人的に思います。それは日本も同じで、企業の業績の伸びに対して全体の所得の伸びは見劣りします。また、人手不足で就労者が増えていますが、増えているのは低賃金になりがちな女性や高齢者、非正規雇用が主です。

米中貿易戦争は、不公正な独自ルールで貿易黒字を拡大し、有り余る生産力で貧困国のインフラを整えるこことで影響力の拡大を図る中国をけん制する意味があります。これまで中国の拡大路線を許してきた歴代大統領のツケを払わされてるという見方もできます。一時的に経済に影響があったとしても、より公正な貿易体制が築けるのだとしたら必要な「痛み」になります。特に日本の国土への野心を隠さない中国が、経済規模と軍事力で日本を突き放してしまった場合にどうなるかを想像すべきでしょう。「米中貿易戦争は悪」という画一的な見方は、将来的に日本へ大きな禍根を残す可能性が大きいのです。

まとめ

2019年も初っ端から、相変わらず印象論で世論を形成しようとするメディアにうんざりさせられます。NHKなどのメディアが悪質なのは、「日本の財政はやばい」「トランプ大統領はおかしい」を前提に報道をしているところです。実は「日本の財政はやばくない」「トランプ大統領は正しいこともある」と前提が変われば、報道内容も変わります。ぜひ2019年は、少しでもメディアが「日本の財政はやばくない」「トランプ大統領は正しいこともある」 可能性があることを検証してくれる年であって欲しいと願います。