平成とはどんな時代だったのか?1997年の消費増税と緊縮財政で止まった経済成長

1989年(昭和64年)1月8日から始まった平成が、2019年4月で幕を閉じようとしています。5月から新元号を迎えるに当たり、新たな気持ちで「幸せな時代の到来」を信じたいのですが、お世辞にも平成が国民全体にとって良い時代だったと言えません。新しい元号になり平成の過ちを繰り返さないために、今後数カ月、平成がどんな時代だったのかを振り返ることがとても大切になります。

ほかの先進国より見劣りする日本の経済成長

平成を振り返るにあたり、1月1日付の中国新聞の「数字で見る平成元年と現在」はとても良い記事でした。数字は嘘をつきませんから。ただ、数字の解釈の仕方で、見え方は大きく変わるという相変わらずの問題は残ったままですが。例えば、1989年から2017年のGDP成長率の各国比較について。記事では以下のように解釈しています。

経済はどうだろうか?「失われた20年」と呼ばれつつ、国内総生産(GDP)は約3兆ドルから約4兆9000億ドルへと伸びている。変化したのは、世界の経済地図だ。

中国新聞が何を言いたいのかは明らかで、「なんだかんだ言っても日本経済は成長している。グローバル化で中国をはじめとする新興国が異常に伸びている」と言いたいのです。しかし日本の経済成長は、他の先進国と比較しても鈍いのは数字が表しています。「なぜ、平成の間は日本だけが異常に経済成長のペースが遅いのか」を考える必要があるのです。

1998から2017年の各国GDPの比較 
単位: 10億USドル

1997年の消費増税と緊縮財政で止まった経済成長

また、単に1989年と2017年のGDPの比較では見えないものがあります。平成時代に、どのようにGDPが推移したのかを知ることが、「平成の失敗を繰り返さない」ためにとても重要になります。前述で、USドルのGDPを提示した都合上、ドルベースでのGDPの推移を見てみます。

出典:世界経済のネタ帳

グラフを見れば明らかで、平成の経済成長は1995年で止まっており、その後は完全に「失われた20年」と呼べるものです。為替の影響もあるのでピークに時間差がありますが、円ベースでは1997年まで堅調に経済成長しており、やはりその後20年は成長率が低迷しています。

1997年に日本で起きたことを振り返ることなく、日本の低い経済成長を語ることはできません。1997年は消費税が3%から5%に引き上げられた年で、また当時の橋本内閣による「財政構造改革」により、財政赤字対GDP3%未満や、2005年度までの赤字国債発行ゼロ目標などが掲げられ、本格的な緊縮財政が始まった年なのです。

1990年代初頭のバブル崩壊でも1997年まで経済成長できたのは、民間の消費や投資の落ち込みを財政出動でカバーしていたためです。その政府支出が止まり、回復しかけていた消費に増税を課すわけですから、経済成長がストップするのは当然の帰結です。橋本内閣にしても、経済への悪影響は理解していても、さすがにマイナス成長や長期的な経済成長の低迷を招くとは予測していなかったのでしょう。

まとめ

平成の経済低迷は、明らかに政府による失策によるものです。オールドメディアでは、1997年を転機になぜ経済が低迷したのかを報道しようとしません。恐らく、なにがなんでも消費増税と緊縮財政を継続したい財務省の意向に逆らうことができないからでしょう。しかし、そんな省益のために多くの国民全体が不利益を被っているとしたら看過できません。1997年以降もほかの先進国と同程度の経済成長をしていれば、GDPは900兆円を、税収も90兆円を超え、現状より国民は豊かな生活を送り、財政問題はかなり軽減されていたはずです。そんな平成の過ちを、新元号の初年に犯そうとしているのですから、「愚か」としかいいようがありません。