消費増税は怖がる必要はない?経済に疎い保守派の重鎮が国益を損ねる

昨日、百田尚樹氏、櫻井よしこ氏が出演した「虎ノ門ニュース」を観ました。日本を良くしたいという思いが強い人に対して失礼ですが、「老害」という言葉を強く感じずにはいられませんでした。冒頭の10分だけで、おなか一杯になります。

右も左も抽象論で語る時代は既に終わっています

冒頭の10分での櫻井氏の発言は、「日本は今年はすごいチャンス。危機をきちんと賢く、上手に乗り越えたときに日本がどんなにすごい力を持つか考えたら胸がわくわくする」。「消費増税も怖がってちゃダメ。政府は反動が来ないように十分な予算の手当てをしているし、1000兆円を超える借金を将来世代に残すのはいけない」といったものです。

「日本は良くなる」については、そうであって欲しいし、冒頭の立ち話で具体的にそう思う理由を述べるのは難しいかもしれませんが、あまりにも具体性を欠く「きちんと、賢く」といった抽象的な形容詞が多用されているため胡散臭く感じます。また、番組全体を通して、百田氏にしても「たくさんの」とか「滅茶苦茶している」などの曖昧な表現が多いように感じました。過去には左寄りの論客が「平和、人権、平等」などの定義が曖昧なワードを、金科玉条のごとく多用していたことに通じるものがあります。

経済に疎い保守論者が国益を大きく損ねている

櫻井氏が消費増税の日本経済に与える影響を過小評価している点に、保守派として致命的な認識不足があると思います。「危機を乗り越えたらすごい国になる」といいますが、櫻井氏が支持する消費増税や緊縮財政が、日本が20年成長できない危機的な状況を生み出していることを理解していないからです。この発言は多くの人を落胆させたようで、Twitterの反応がそれを物語っています。

自民党の参議院議員、青山繫晴氏をはじめ、「虎ノ門ニュース」のレギュラーコメンテーターすべてが消費増税に反対していると認識していますが、櫻井氏に対して誰かその理由を説明できないのでしょうか?百田氏にしても、「一方で日本は1000兆円を超える資産がありますし・・・」と一応反論していましたが、
櫻井氏 の「でもその資産を吐き出させることはできないでしょう」に対しては言葉を濁していました。「この人には何をいっても無駄だ」と思ったのでしょうか。

一方で、 防衛費が韓国に抜かれそうなことを憂いており、「1000兆円を超える借金を抱える国がどう防衛費を捻出できるのか」について、具体的なソリューションを聞くことはできませんでした。 ネットでは、「国の借金1000兆円」なんて発言をしようものなら、即座に論破されるほど非常識な認識になっています。しかし残念ながら、今でもオールドメディアのみが情報源という人も多く、日本の政治を動かすほどの大きな動きにはなっていません。

日本がうまくいっていない根源は経済問題にあります。とても皮肉ですが、「日本を良くしよう」と活動している保守派の一部が、その問題の解決を難しくしている現実があり、それをまざまざと見せつけたのが昨日放送された 「虎ノ門ニュース」の 櫻井氏だったのです。これまでの活動には大変有意義で国益になるものが多々あることは知っていますが、既に「老害」と呼ばれる域に入っていることを自覚してもらいたいと強く願います。

まとめ

個人的に、最近は左派系の論者に説得力のある発言をする人が多いように感じます。それは、日本経済がうまくいっていないことが大きいのかもしれません。国が成長し、多くの人が豊かになっていく社会では自然と平等感が広がり、わざわざ「平等な社会を」と発言する左派系の説得力が欠けてしまいます。しかし、経済がうまくいかず不平等感が広がると、右派の主張する「国を憂う」気持ちを持つ余裕がなくなってしまうのではないでしょうか。右左で喧嘩している場合ではありません。何よりも今必要なのは、国民を貧しくしているのは何かを認識し、共闘していく覚悟ではないでしょうか。それを体現しているのが、アメリカ、イギリス、フランスなのかもしれません。