国民一人の借金が約700万円。財務省のフェイクが国民を苦しめている

日本の景気は6年2カ月成長しているらしく、いざなみ景気を抜いて戦後最長になる可能性高いそうです。確かにGDPは1%程度の緩やかな上昇傾向が続いているため、「成長が続いている期間」が戦後最長には間違いないのでしょう。それでも賃金上昇は鈍く、消費がほぼ横ばいなので、巷では「景気回復の実感がない」との声が大半になっています。果たして6年以上も一般の人たちが実感できない景気回復に、何の意味があるのでしょう。

景気回復が実感できない理由は明確

以下のNHKの記事が指摘するように、いわゆる「景気回復」が実感できない理由は明確です。ちなみに、「だから消費増税すべきではない」と記事がまとめてくれていたら褒めたいのですが、NHKとしては無理なのでしょう。

景気回復 なぜ実感ないのか?

「アベノミクス」と呼ばれる経済政策とほぼ時を同じくして始まった今回の景気回復。世界経済の回復が続き、好調な企業収益がけん引する形で戦後最長に達した可能性が高まりました。一方、家計にとっては恩恵を受けている実感に乏しいのが実情で、専門家からは「最長だが、最弱の景気」という評価も聞かれます。どうしてでしょうか。

景気が回復しているのであれば「使えるお金」が増えるはずですが、ほぼ10年間増えていないため実感できないのは当然です。これまで景気回復の最長記録だった「いざなみ景気」の終盤にあたる平成19年には、ひと月平均44万2000円余だった可処分所得(2人以上の勤労者世帯の自由に使えるお金)が、おととしはひと月平均43万4000円余りと減少しています。

景気が回復すれば当然賃金も上がりますが、賃金上昇率が鈍いうえに、社会保険料の負担が同期間でひと月平均4万7000円程度からおよそ5万6000円まで増えています。使えるお金が減っているのに、家計が消費を増やすわけがありません。これで、どう景気回復を実感できるのでしょう?

また、昭和40年11月から昭和45年7月まで4年9か月続いた「いざなぎ景気」では、実質GDPの平均成長率が11.5%、「バブル景気」では5.3%だったのに対し、今回の景気回復では平均で1.2%にとどまっています。これは成長というより、停滞と表現すべきではないでしょうか。

GDPの6割を占める家計の消費が増えていないため、GDPの成長率が低迷するのは当然です。むしろ、負担率が高くなり可処分所得が増えない中、成長しているのが不思議なくらいです。日本のGDPで輸出が占めるのは3割弱ですが、この景気回復におけるGDPの成長の約半分は輸出が寄与しているといいます。国内の成長が世界経済に頼らざるを得ないのは、情けない限りです。

経済成長には内需の拡大が不可欠

国内消費の低迷が、GDPの低い成長率の大きな要因であることははっきりしています。社会保険料の負担が増えれば消費を抑えるのは当然の帰結なので、政府は内需拡大による景気回復に興味がないようです。

さらに2019年10月に消費税を8%から10%に上げることを決定しています。子ども騙しのような1年限定の軽減税率で「消費は減らない」と強弁していますが、あまりに国民を馬鹿にしています。しかも、これまで好調な輸出でけん引していたいわゆる「好景気」も、世界経済の減速が予測される今後も持続できるかも不透明です。輸出もダメ、家計の消費もダメとなったときの日本経済に与えるダメージは計り知れません。

低いGDPの成長率、景気回復が実感できない理由と原因がはっきりしているのに打つ手がないというのはどいうことでしょう。その理由ははっきりしています。いわゆる巨額な「国の借金」を減らしたいため、国が国民の負担率の増加に躍起になっているからです。

メディアが「国の借金」の印象操作に一役買っていますが、その情報源は財務省です。財務省はHPで、国民一人当たり約700万円の借金があると堂々とフェイク情報を流しています。

実際は以下の記事の通り、家計資産は増加し続け、過去最高を更新中です。

家計資産、2976兆円 17年末、6年連続で増加

内閣府が28日発表した国民経済計算によると、一般家庭や自営業などを合わせた家計の資産残高は2017年末時点で前年比3・7%増の2976兆6千億円と、6年連続で増加した。株価や土地価格の上昇が押し上げ、現行基準の1994年以降で過去最高を記録。

いわゆる「国の借金」は政府の借金で、国民には資産になります。国民の巨額な資産が気に入らないのか、財務省は増税で国民の資産を吸い上げたくて仕方がないのでしょう。そのため国民は将来に備えるようになり、消費を抑え貯蓄を増やそうとするという悪循環になっているのが現在の日本です。

まとめ

国がすべきは、国民の負担増による財政赤字の解消ではなく、負担減による消費の喚起のはずです。消費が増えればGDPと税収が伸び、財政赤字も解消に向かうはずです(そもそも解消する必要性は現状ではありませんが)。

それでも、どうしても国民の負担を増やしたいのであれば、富裕層に限定すべきです。消費税はすべての世代から徴収する公平な税との認識がありますが、所得に対する消費割合の多い余裕のない世帯の負担が大きくなる逆進性があります。消費が低迷し低インフレの経済状況では、消費減につながる経済政策は最悪と言わざるを得ません。