世界40カ国で自動ブレーキの義務化に合意。日本では2020年からスタート

日本と欧州が主導して、世界40カ国の国と地域が自動ブレーキシステムの搭載の義務化に向けた協議に合意しました。いち早く日本では、2020年から販売される新車と軽商用車に適用がはじまります。

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自動ブレーキの義務化で大幅な事故件数減に期待

義務化される自動ブレーキシステム(衝突被害軽減ブレーキ)とは、センサーが歩行者や障害物との距離を常にモニタリングし、障害物との衝突が避けられず、ドライバーが反応しないと判断しときに自動でブレーキを作動させるシステムです。

対象は調印をした40の国と地域で販売される新車が対象で、米国、中国、インドはUNの法律より自国の法律を優先したいとして協議に参加しませんでした。とはいえ、米国は日本市場を無視するわけにはいかないので、新車への自動ブレーキの搭載は不可避になるはずです。「貿易障壁だ」と米国が難癖をつけてくる可能性はありますが。

そんな米国政府ですが、2016年に20の自動車メーカーと2022年までにすべての新車に自動ブレーキシステムを搭載すると合意をするなど、主導的に動いていました。しかし法的な拘束力がなく、米国運輸省道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)は2017年の報告で、20の自動車メーカーのうち、テスラ、メルセデスベンツ、トヨタ、ボルボの4社だけが、自社モデルの半分以上に自動ブレーキシステムを標準化していると公表しています。

Highway Loss Data Instituteによると、米国の2019年のモデルのうち自動ブレーキを標準装備しているのは28%にとどまり、36%はオプションで用意しています。非営利団体Center for Auto Safetyの代表Jason Levine氏は、かつて安全な自動車社会の実現を主導していた国としては恥ずかしい決定だ、と述べています。

2016年EUの交通事故による死者は9500人で、自動ブレーキがあれば1000人は救えたと言われています。搭載の義務づけが始まればEUでは年間1500万台以上、日本では同400万台以上の新車が対象になるとしており、事故数の減少や被害の軽減が期待されています。

また、AIの判断が人の判断を超える懸念があることから、「ドライバーはいつでも、自動ブレーキシステムを無効にし車を制御できる。例えばハンドルアクションやアクセルのキックダウンなどで」と明記しているのも今回の合意の特徴です。

参考:自動ブレーキ搭載義務化、40カ国が合意 国連発表
40 countries agree to require cars to have automatic braking technology starting as soon as 2020

まとめ

正直、「ようやくか」との感想です。このシステムさえあれば、ブレーキとアクセルの踏み間違えで前方の店舗に突っ込むなど、高齢者にありがちな事故の多くが防げるはずです。また、事故の多くが出合い頭の衝突など、ドライバーの不注意で起きており、その多くが自動ブレーキシステムの作動で防げるでしょう。一方で、自動ブレーキ機能を過信したために起こる事故が増えることも想定されるため、システムの信頼性向上などの取り組みも必要になるでしょう。とりあえず、年間数千人の命が救える可能性のある大きな一歩として期待しています。