外需主導による見せかけの景気回復のメッキが剥がれてきた日本経済

戦後最長の景気回復と言われながら、巷では「実感がない」との声が大勢を占めています。それもそのはず、アベノミクスの効果とは一部の企業と人のみにしか実感できないものだったからです。それでも好調な企業業績により、年率1%程度の経済成長はしてきました。それが中国の景気減速などの要因で吹っ飛ぶような、心もとないものだったのです。

国内景気 すでに後退局面の可能性 景気動向指数3か月連続悪化

景気の状況を示すことし1月の「景気動向指数」が、3か月連続で悪化し、内閣府は基調判断を下向きに修正しました。これは1月の時点で、景気がすでに後退局面に入っていた可能性を示す内容で、「今の景気回復が戦後最長になったとみられる」とする政府見解とは異なる結果です。

企業業績が最高益でも伸び悩む賃金

リーマンショックで落ち込んだ企業業績は、安倍政権になる前から回復傾向にありました。

出典:NIPPONの数字

しかしその間、賃金へ十分反映されることはありませんでした。

出典:NIPPONの数字

逆に言えば、人件費を抑えることで業績を良くしてきたということです。企業は人件費を安く抑えるため、非正規の割合を増やすことになります。安倍政権下で行われてきたことは、「女性活躍推進」「一億総活躍社会」「外国人労働者拡大」など、企業が安い労働力にアクセスできる政策が目につきます。安倍政権は、企業業績の回復に貢献したのは確かですが、それは安く雇える労働者を増やすことで可能になっているのです。

賃金が上がらなければ国内消費も増えない

失業率が改善し人手不足が深刻になると言われながら賃金を上げなくても人を雇えるため、企業は待遇を改善しようとはしません。多くの人が戦後最長と言われる景気回復を実感できないのは、賃金が上がらないから当然のことです。賃金が上がらなければ、当然消費を増やそうという気にはなりません。

出典:NIPPONの数字

消費は、リーマンショックから2013年まで回復傾向にありましたが、安倍政権下で横ばいになります。2014年の消費増税やその他の負担も増え、さらに鈍い賃金上昇で消費が増えたら奇跡でしょう。国内消費、つまり内需が増えないのにわずかながら景気回復できていたのは、好調な世界経済で輸出が増えていたためです。ここにきて、中国の景気減速の影響を受けた日本の製造業の低迷で、冒頭の記事のように日本経済も後退局面に入ったとみられています。

企業業績の回復や、人手不足による賃金上昇という恩恵を一般労働者が受ける前に、景気後退でさらなる賃金低下圧力がかかるという最悪なシナリオが現実味を帯びてきました。

まとめ

これまで経済をけん引してきた輸出企業の低迷で、雇用環境が悪化してしまうとさらに消費が落ち込む可能性が高くなります。そんなタイミングで今年10月、安倍政権は消費増税をしようとしています。まさに自殺行為です。輸出もダメ、内需もダメとなると政府が公共事業などの支出増で景気を支えるしかありません。

しかし財政健全化を目指す財務省が、それを許してくれません。 しかも、多くの人たちが指摘するように、財政健全化をする正当性はまったくありません。 まったく無意味な財政健全化のため、亡国に突き進もうとしているという馬鹿馬鹿しい状況にあるのが今の日本なのです。