日本財政危機を警告していたブランシャール氏。主張を変えることは恥ずかしいことではない

オリヴィエ・ブランシャール氏 についてWikipediaでは「現在はIMFとのチーフエコノミストとして活躍している」とありますが、 2015年10月に退任しているようです。ブランシャール氏については、池田信夫氏が「超低金利では政府債務のコストは小さい」と主張していると紹介しており、池田氏も同様の主張を最近はしています。そのブランシャール氏の主張を、IMFが批判しています。

記事では、ポルトガルの経済学者でIMF財政局代表のVítor Gaspar氏が「財政赤字の拡大に警告(IMF warns nations to limit public debt)」しています。

要するに、低金利がいつまで続くか分からない。金融危機を起こす要因は複数あり、そのときに備えて「今は財政赤字は拡大すべきではない」ということのようです。そのときとは、リーマンショックのような世界的な金融危機のことを想定しているのだと思います。

記事中にもあるように、IMFは伝統的に正統派の財政政策を支持してきており、それを踏襲した発言のようです。世界経済の権威であるブランシャール氏や、最近話題になっているMMT(現代貨幣理論)が主張する「財政赤字の提言」には反対の立場をIMFとしては取らざるを得ないのでしょう。

今のところは。

ところでブランシャール氏は、2016年時点では日本の財政へ警笛を鳴らしていました。それを小黒 一正氏が、「ほら、世界的に一流の学者がそういってるじゃないか」と紹介しています。

それが今では以下のように、財政赤字を推奨しているのですから分からないものです。

長期停滞の時代には財政赤字が必要だ

これはブランシャールも指摘していることで、彼は「日本は今後もプライマリー赤字を続けることが望ましい」という。したがって今の日本で消費税を増税することは望ましくないということになる。

黒田氏もどうせのことなら、増税派から転向してはいかがでしょう?世界的権威に見習って。

まとめ

大雑把に緊縮派、反緊縮派と別れていますが、 ブランシャール氏やMMTの主張するところの「金利/インフレ率が過度に上昇しなければ、財政赤字は問題ない」というコンセンサスはとれていると思います。そうなった場合の問題は、本当に低金利、低インフレ率が今後も続くかどうかに絞られます。個人的には、先進国では史上最低水準の金利、インフレ率のときに暴騰するリスクを叫ぶのはいかがなのかと思います。それより、「人々がどうすればより豊かなで幸せな人生を送れるのか」にフォーカスすべきときなのではないでしょうか。