古く機能しなくなったシステムは変えるべきだが人の幸せを追求するのが原則

MMT(現代貨幣理論)への関心が高まり、経済関連ではホットトピックになってきました。しかし、その多くが批判的なもので、(彼らにとって)馴染みのない概念を受け入れられない経済界の閉鎖性が露呈されています。

MMTは決して新しい概念ではなく、単にお金がどのように生まれているのかを説明しているに過ぎません。これまで、「政府の借金が莫大だから危険」と主張してきた主流派経済学は、MMTの肝となる「借金の裏付けでお金が生まれている」現実を知らなかったのか隠していたのか不明ですが、MMTが広く知れ渡ることに危機感を抱いているのは確かなようです。

また、主流派経済学がMMTを批判するときによく使う「異端」という表現ですが、MMT論者は異端とされながらも現実の経済を的確に論じていました。むしろ「政府債務残高が増えることで金利、インフレ率が上昇する」と言ってきた主流派経済学が間違っているのは現実の経済が証明しています。

高金利や高インフレで悩む発展途上国ではそれでいいかもしれませんが、先進国はこの数十年、金利もインフレ率も史上最低レベルで推移しています。自分たちの間違いを棚に上げ、現実を正しく説明してきたMMTを「異端」と一蹴できる彼らに、これからの経済を語る資格はあるのでしょうか?

また、経済の専門家でもMMTを受け入れる人たちも出てきています。

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツを創立したレイ・ダリオ氏はMMTについて、独立機関としての中央銀行が政策金利の調整を通じて経済を誘導するのではなく、政府が歳出と税制によって経済を運営するという考え方とし、現在の形での中央銀行はいずれ時代遅れになり、MMTのような別の仕組みに取って代わられるのは「不可避」だといいます。

インフレが抑制されている間という条件付きになりますが、1990年代から先進国ではインフレ率が低迷しています。日本の異次元の金融緩和でもインフレ率2%さえ届かなかったことが、金融政策の限界を示しています。政府が歳出を増やせば需要が生まれ、インフレ傾向が強まります。逆もまた然りで、歳出を減らし増税をすれば需要が減り、デフレ傾向が強まります。

先進国を中心に民間の生産力が高まる中、慢性的な需要不足状態が続き、賃金上昇の足かせとなっています。その上、いわゆる「財政問題」を理由に政府まで歳出を減らしていては、一向に景気が良くなるわけがありません。政府の関与が大きくなることに抵抗を感じる人もいますが、それが最良の方法である場合に何が問題になるのでしょう?

しかし、日本の将来の首相候補が以下のような市場原理主義者なので頭が痛くなります。

もはやこの人は、グローバルリズムや新自由主義を最善のイデオロギーとしか考えられないのでしょう。「稼ぐ」ことが最優先で、「稼ぐ」人がいれば「奪われる」人がいることなんて理解できないのだと思います。「借金」があれば「お金」が生まれるように。

まとめ

小泉進次郎氏の父、純一郎氏が首相時代、「痛み」を国民に押し付け、国民は熱狂的にそれを受け入れてきました。その結果どうなったでしょう?世界が順調に成長する中、日本は失われた20年に突入します。その間、中国にはGDPで抜かれ、今では3倍近くまで差をつけられています。それもこれも、「借金は悪」と経済学者、政治家、国民が信じてきた結果です。正しくお金について知ることが、これだけ求められている時代はありません。