「レスキャッシュ社会(現金の少ない社会)」のメリットとは?

アメリカの経済学者ケネス・ロゴフ氏が、「レスキャッシュ社会」への移行を提唱しています。今話題の「キャッシュレス」ではなく、世の中に出回る現金が少ない社会がレスキャッシュだそうです。一体、どのようなメリットがあるのでしょうか?

ケネス・ロゴフ氏は、完全に現金が存在しない社会は望みませんが、金額の大きい紙幣が無くなれば犯罪が減ると提言しています。

100ドル紙幣のような高額な紙幣は、普段あまり目にすることはありませんが、アメリカでは1人につき4000ドル以上の現金が存在し、全金額の約8割が100ドル紙幣だといいます。 

表経済では使用される現金量は減りつつある一方、世界中で100ドル札の需要は高まっています。裏経済や犯罪、脱税のために利用されているからです。

中央銀行は、よりシニョリッジ(通貨発行益)の大きい高額紙幣を発行したがりますが、それが脱税で使われれば政府に戻ってくるお金が減ってしまい本末転倒になります。

高額紙幣を廃止することで、犯罪を5%減らすことができるといいます。ユーロ圏では500ユーロ紙幣が廃止されることになり、2019年1月27日から回収が始まりました。廃止の理由は、犯罪の対価として集中的に使用されているからです。

災害や個人の送金、商業活動にとって利便性がある限り、完全に現金が消えることはないでしょうが、徐々に現金の取扱量は減る傾向は続き、高額紙幣を無くすことは犯罪を減らすためにもメリットがあると同氏は主張しています。