正念場のトランプ大統領。軒並み賃金上昇率の低い先進国

戦後最長の好景気とされる一方で、賃金上昇の鈍い日本経済。それは、トランプ大統領が「空前の好景気」と自画自賛する米国でも、さらに欧州など他の先進国でも同じようです。

それでもゼロ上昇率あたりをうろうろしている日本に対し、


source: tradingeconomics.com

米国は5%前後の上昇率と、非常にうらやましい限りです。日本の賃金上昇率の低さは、先進国の中でも際立っているのです。


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トランプ大統領が「空前の好景気」と自画自賛し、3%前後の経済成長を遂げている米国ですが、数字ほど実体経済は良くないのかもしれません。やはり、一般労働者の賃金上昇が鈍いことが要因なのでしょうか?そんな疑問に答えてくれるかタイムリーな記事がありました。タイトル「見た目より悪い米国経済」です。

「就業者の増加を理由に好景気とされている米国経済。しかし、好景気を示す各指標の裏には不都合な構造問題が隠されている(かなり意訳)」と、何やら興味を掻き立てる書き出しではじまります。

問題として、家計に必要な出費をまかなえない低い稼ぎ、拡大する富と所得の格差、乱高下する株価、高騰する住宅価格、低い経済成長率、財政赤字の拡大など。やはり依然として、低所得者にとっては厳しい社会という現実は改善されていないようです。それもこれも、伸びない所得や格差の固定化が構造上の問題として根強く蔓延っているのではないでしょうか。

賃金の上昇率が鈍いと言えども、特に低所得者層の賃金は改善しつつあります。それでも、数十年も低迷していた中間層以下の賃金上昇を埋めわせるほどの力強さはなく、多くの家計がニーズを満たすだけの稼ぎがないといいます。

連邦準備制度(Federal Reserve)の最新調査では、白人家庭の5分の1、黒人・ヒスパニック系家庭の3分の1が家計について、「ぎりぎりやり繰りしている」もしくはそれより悪い状況にあるといいます。米国の中間層以下の生活は、想像していたより苦しいものなのかもしれません。

まとめ

トランプ大統領の大型減税は主に法人税が大幅に下げられ、個人より企業を優遇したものでした。確かに景気は良く就業者が増えましたが、賃金上昇には十分反映されていません。そのため個人消費の伸びも鈍く、景気の好循環が生まれるにはいたっていないようです。そのことに気づき、中間層の減税を検討しているのはさすがですが、タイミング的に遅きに失した感はあります。まあ、消費増税を強行しようとしている安倍政権よりかなりましなのですが。

この、見掛け倒しの好景気が大統領再選の障壁になる可能性があります。日本でもそうですが、法人税の減税などで企業業績が良くなっても、賃金上昇に反映されない構造的な問題があります。外国人労働者・非正規雇用の増加、IT・AI化などがそうです。そこを解決することなく企業を優遇しても格差は拡大するだけです。日本もそのことに早く気づき、ネオリベ的政策から一刻も早く転換してもらいたいものです。