韓国への輸出規制は報復ではない。「ルールを守れ」という警告

日本政府は韓国に対し、半導体原料のフッ化水素など3品目の輸出の優遇措置を停止しました。理由は、「2国間の信頼関係が失われたこと」です。

さらに、優遇措置停止第二弾も用意しています。日本はこれまで、安全保障上の同盟国など27カ国を「ホワイト国」と指定し、リストに掲載されていない品目の輸出操作を免除してきました。8月中に韓国をそのホワイト国から外して“普通の国”に格下げするというのです。

韓国政府はいわゆる「元徴用工問題」に対する報復措置と決め付け、WTO(世界貿易機関)協定違反だと主張しています。しかしここに至るまでに、韓国側の不誠実な態度が続いたことは忘れるべきではないでしょう。

元徴用工問題では、これまで両国の政府が維持してきた「1965年締結の日韓基本条約や日韓請求権協定で解決済み」という立場を、昨年10月の判決で韓国側が一方的に逸脱してきました。しかもその後、日本側が協議を申し入れても無視し続けてきました。

さらに、昨年12月に起きた韓国海軍の艦船による自衛隊機へのレーダー照射問題、北朝鮮船舶による「瀬取り」への共謀疑惑など、もはや同盟国とは呼べない状況にまで関係は悪化してきました。

だからといってこれらを理由に日本側が一方的に報復の意味を込めて輸出規制に動いたわけではなく、今回は韓国関連の輸出管理で「不適切な事案」が発生したことによる措置です。しかも、これまでの優遇措置を改め普通の国として扱うことになるわけで、そういう意味では「規制」でもないとも言えます。

「不適切な事案」とは正式に公表されていませんが、優遇措置で輸出した製品が、軍事物資か何かの製造に転用され、韓国経由で北朝鮮のような国に輸出されている疑惑だとみられています。要は、「しっかりルールを守って輸出入しましょうね」という話です。

しかも輸出が完全にストップするわけではなく、これまで免除されていた「個別の輸出許可の取得」が義務付けられるだけで、韓国企業は個別に審査をして適切に輸入すればいいのです。米中の貿易戦争と比較し、かなりマイルドな内容ではないでしょうか。ただ一点、韓国側の数々の常軌を逸した日本への対応が、今回の措置を可能にした一面も無きにしも非ずかなとの思いもあります。

まとめ

今回の件では、韓国側の「日本製品不買運動」や対抗策の模索など過剰反応が目立ちます。ぼくがよく利用するツイッターでも、「嫌韓ネトウヨ安倍政権」、「韓国をつぶせ」など的外れな意見が飛び交っています。

日本VS韓国の構図は確かに面白いのですが、冷静に何が問題なのかを見定める必要があります。今回の件は、「優遇措置を悪用しちゃだめよ」という日本側の警告に過ぎないのです。今後、制裁色を強めた措置がとられる可能性もありますが。そんな警告でさえも、かつては認められない世論がありました。そういう意味では、日本の世論も変わりつつあるのかもしれません。