貧困は自己責任だけが理由ではない。真面目に働いても貧しい日本人

「もっと富裕層や大企業に課税して分配しろ」と声を上げると、「貧乏人はもっと働いて稼げよ」と貧困を自己責任とする論調が根強い日本。そんな日本に対し、Bloombergが「真面目に働いても貧しい日本人」と揶揄(?)する記事を書いています。

以下、前半部分の要約です。

米国の貧しい人たちに自己責任を押し付けるのは止めよう

日本はよく働き、薬物依存も犯罪もシングルマザーも少ないのに、人々は貧しいまま。

米国の保守派の人たちは、貧困は本人たちの選択が間違ってきたからだと信じています。特にアフリカ系アメリカ人の貧困は自己責任とされやすく、政治学者は人権への不満から生じる行いが主な要因だとしています。

数十年にも及ぶ共和党のメッセージは、ステレオタイプのウェルフェア・クイーン(政府の社会福祉制度を悪用して、多額の生活保護費や福祉給付金などをだまし取る女性)に対するものでした。しかし保守派は、白人の貧困層に対しても同様の選択の失敗が貧困の原因だと結論付けます。

ナショナル・レビューのKevin Williamson氏による2016年の有名な寄稿では、以下のように白人労働者の離婚と薬物の乱用が大きな原因だとしています。

白人の労働者階級は自ら失敗を犯してきた。彼らの福祉制度への依存、薬物やアルコールの乱用、家庭崩壊を直視すると、酷い現実に気づくはずだ。アメリカの貧困層は悪質で自己中心的な文化に身を投じ、自ら何も生み出すことなくヘロインの注射針を使うだけだ。

この論拠が正しければ、人々はよく働き、薬物や酒、暴力に依存することなく、家庭円満だと貧困から免れることになるはずです。少なくとも一国、国民がそれらすべてを体現している豊かな国があります。彼らはよく働き、自己破壊的な行為やリスクを避け、賢い選択をしてきました。それが日本人ですが、いまだに多くの貧困層を抱えています。

日本は先進国の中でも貧困者が多く、所得の中央値の半分以下の稼ぎしかない人を貧困者とすると、貧困率は米国に次いで高く、15%以上にもなります。

<後略>

まとめ

この記事に対しては、さまざまな反応があります。中でも多いのが、世界で競争できる企業が育たない労働環境にある、というものです。つまり個人ではなく、企業が悪いと。確かに企業にも責任があると思いますが、企業は国民を豊かにするために存在していません。グローバル企業が集中する米国でも、貧困は解決するどころが悪化しています。

民間に貧困解決の役割を求めるのは無理な話です。それができるのは、政府だけです。ここにきて米国が大きな政府に舵を切ったように(歳出の拡大)、日本も自由競争を加速するのではなく、もっと貧困を解消する政府の役割を求めてもいいのではないでしょうか。