ほっともっとが直営店190店を閉店。コストカット拡大路線の限界

この田舎にも数店舗展開しているほっともっとが、直営店190店を閉店すると発表しました。理由は人手不足による人件費高騰で店舗の運営費が上昇しているためで、不採算店を中心に閉めて構造改革を急ぐそうです。


出ました「人件費高騰→構造改革」の流れ。いつまで繰り返すんでしょう。人件費高騰と言いますが、地元店舗の求人をみると850~950円(東京では1100円前後)で募集しています。一人を一時間拘束して1000円程度しか出せない企業が、人件費が高くて運営ができないって情けない気がします。そもそも、経営自体に問題があるのではないでしょうか?

ほっともっとの魅力と言えば、そこそこの弁当が低価格で買えることでしょう。のり弁当が税込みで300円。しかし、侘しさが漂う写真ですね。


つまり、お金に余裕のない人たちでも気軽に買える弁当を取り揃え、そんな人たちが増えることで儲かるデフレ商法で、材料費、加工費、人件費を徹底的に抑えることで、成り立つ商売です。コストを抑えるためには、店舗を拡大しスケールメリットを活かし、原価を引き下げる必要があります。

ほっともっとを展開するプレナスは、現時点の2700店から、2020年度までに3000店に増やす計画を立てていました。それが赤字転落により店舗閉店を決断したのですから、かなり危機的な状況にあるのだと思います。

閉店の理由に人件費がことさら強調されますが、イメージ戦略、商品戦略の失敗も見逃せません。2019年2月期は広告宣伝費に30億円を投じ(前期比6.6億円増)、テレビCMなどの宣伝活動を強化したり、新メニューで女性客などでへアプローチしたりしましたが、思ったほど効果がなく売り上げが伸びなかったことも赤字転落の起きな要因になっています。

SNSではほっともっと閉店の報道から、最低賃金引き上げ否定派からは「最低賃金を上げたら失業者が増える」、賛成派からは「少しの賃上げもできない企業は潰れてしまえ」といった声が聞こえてきます。個人的には、時給1000円前後で雇わないと儲けが出ないビジネスモデルがここまで成長してきた日本は、何かおかしいのではと感じます。

まとめ

「人手不足、人件費高騰で経営を圧迫」など叫ばれますが、ぼくがフリーターをしていた約20年前から時給はそれほど上がっていません。日本では経済成長できない「失われた20年」を経験し、実質賃金は下がり続けてきました。その間、他の国では堅調に経済成長し、実質賃金は伸びています。例えば米国の平均時給は、20年で15ドルから23ドルに伸びています。

民間企業が儲け主義になるのは当たり前です。民間だけに任せていては、いつまでたっても日本では給料は増えません。デフレ商法がまかり通る経済を、いつまでも放置し続けている政府こそ責められるべきだと思います。