佐野SAが「スト破り」で運営再開。短期、高時給でスタッフを確保

以前の投稿で、「民間企業は利益のために(法の下であれば)何をしても良い」と書きました。それに対し、「企業はステークホルダー(利害関係者)の利益を最大化する義務がある」との趣旨のコメントをいただきました。まさにその通りで、企業の一部の人の利益のために何をしてもいいわけではありません。

しかし実際には、そのように振る舞う企業はあります。そんな企業は短期的には利益になっても、中長期的には不利益になっていることに気付いてほしいものです。タイミングよく(?)、そんな企業がSNSで話題になっています。

8月14日、東北道・佐野サービスエリア上り線のフードコートと売店で、運営会社の従業員のストライキが発生し、営業が2日ストップしました。ストライキの理由は、社長に経営危機を訴え改善を申し立てた総務部長を解雇したことに対する不満と、通常の職場環境回復の要求です。このままストが続くのかと思っていましたが、新たなスタッフで営業が再開されました。

どうやら、スト中の従業員と交渉することなく、新たなスタッフを雇い営業を再開したようです。それを批判することなく報じるメディアに、「スト破りを容認するな」との批判が集まっています。

そして、ストライキを受け短期のスタッフを募集したらしい広告がこちら。

報道で知る限りでは、ケイセイ・フーズはワンマン経営らしく労働組合もなく、スト破りを禁じた労働規約もないため、法的には問題ないようです。

それでもお前は、「法律違反でないなら企業は利益のために何をしてもいいと言うのか」と聞かれれば、「いいけど、中長期の利益にはならない」と答えます。また、重要なステークホルダーである従業員を無視した経営は、批判されても仕方がないでしょう。

お盆の書き入れ時の利益を捕り逃さないための今回の判断が、後の従業員のモチベーションや高いサービスの維持の棄損になり、それが顧客離れにつながり、さらなる経営圧迫になることが容易に想像できますから。

まとめ

優秀な経営者であれば、会社の利益追求のため一部の社員に不利益が生じても冷徹な決定を下さないといけないことがあると思います。しかし今回のケイセイ・フーズのケースは、会社の利益や社員の幸福にもつながらない、ルーズルーズの最悪な決断だと思います。

企業に自由な競争をさせれば「神の見えざる手」により、社会全体の利益になるなんてことはありません。政府は規制を緩め経済を民間に任せるのではなく、労働者の利益を守るために規制を強化することが必要なときだってあるのです。