「トウモロコシがー」と言う前に。日本にまともな交渉ができるのか

ツイッターでは、「安倍首相が、米中貿易戦争で余ったトウモロコシを買う約束をした」と大騒ぎになっています。いつもながら自民党批判を繰り返すこの人も。

それに対し、「鳩山内閣時代、配合資料用トウモロコシ約120万トンのほぼ全量が米国産の遺伝子組み換え品のようですが、なぜその時に反対されなかったのですか?」と鋭い突っ込みが。。。

ぼくも安倍首相の決定を支持している訳ではありませんが、鳩山元首相のようにうわべだけの批判もしたくないのが正直なところです。例えば今回の決定で重要なのが、飼料用トウモロコシの前倒し購入であること、そして名目上は国内で害虫被害が広がっており、供給が不足するための備えであるということを知れば、「それほど悪い決定ではないのでは」との思いも沸き起こっています。前倒し購入の規模は約250万トンで、約3カ月分になる見通しです。

一部メディアでは「供給不足になるほど害虫被害は広がっていない」「被害が広がっても簡単に代替の飼料として使用することはできない」とし、「米国の要求をそのまま受け入れた」と批判しています。しかし、それほど大騒ぎすることでしょうか?経済も国防も米国に頼っている日本が、「買わん」と言えるのでしょうか?そのことで生じる問題にいて言及しているメディアは、ぼくの知る限りでは見当たりません。

トウモロコシの一件だけで、外交交渉の負けを断定することはできません。アメリカからの農産品の関税は下げられる一方、日本が求めていた自動車の関税撤廃は継続協議になります。特に牛肉は38.5%から段階的に9%に下げられ、生産者にとって厳しい決定になりました。それでも成果がなかったわけはなく、日本からアメリカへの自動車以外の工業品の多くは関税が撤廃される方向になります。

「中国に売れなくなった遺伝子組み換えトウモロコシを日本が買わされる」との印象操作はインパクト大です。それだけに安倍政権の批判に使いたく気持ちは分かりますが、内実を伴わない批判では説得力がなく、信用を失う危険性もあります。特に鳩山元首相のような影響力のある人たちには、良く内容を確認してから発言してもらいたいものです。

まとめ

そもそも日本が、貿易交渉で強行に出ることができるのでしょうか?内需を疎かにし外需で稼ぎ、かつ国防も米国頼りを継続したままでは無理なのではないでしょうか。そんな本質を欠いた批判を繰り広げても意味がありません。

「トウモロコシがー」と騒ぐ前に、内需を縮小する緊縮財政にストップをかけ、経済と軍事力に裏打ちされた国力を付ける必要性を訴えてもらいものです。