労働者の給料を減らして現金を貯め込んできた上場企業

ブルームバーグの報道によると、上場企業の手元現金は506兆4000億円と過去最高になっています。安倍晋三首相が企業の現金保有を減らすと公約し第2次政権を発足させた数カ月後の2013年3月に比べ、3倍余りに膨らんでいるそうです。

お金持ってますねえ、上場企業。大手企業を中心に、下請けいじめや賃金カットで経費削減に勤しんできた結果でしょう。売り上げが低迷するなか、利益を着実に伸ばしてきた事実からそのことが見えてきます。

企業の純利益の推移(1990~2017年) 出典:NIPPONの数字

一方で賃金は1997年以降、下がり続けています。

貧しくなる労働者、お金を貯め込む上場企業。以上の事実から、法人税を減らす必要性を感じないのは当然でしょう。儲けている企業を優遇する一方で、消費増税で貧しくなっている労働者を苦しめる政府に怒りを禁じ得ません。しかし、何故か日本にはそんな政府や企業に対し怒るのではなく、労働者を馬鹿にした論調をとる人たちがいて、一定の支持を得ているのが不思議でなりません。

例えば城繁幸氏。山口県出身の作家、人事コンサルタント。株式会社ジョーズ・ラボ(Joe’s Labo)代表取締役。ワカモノ・マニフェスト策定委員会のメンバーです。(Wikipediaより)

今の状況は、みんなが選択してきた結果だそうです。「オジサンたちの賃金を死守するため」と言いますが、上場企業がお金を貯め込んでいることは不問なのでしょうか?いわゆる「自己責任論者」なのでしょう。さらに同氏は2010年、消費税は30%に引き上げるべきと提言しています。

財政の持続可能性を最優先にしての考えなのでしょうが、まさに机上の空論と言わざるを得ません。1997年に消費税を3%から5%に上げた翌年、どれだけ企業倒産数と自殺者が増えたのかご存知ないのでしょうか?再びそんな惨状になったとしても、「自己責任」で片づけるつもりでしょうか?

まとめ

最近の論調を見ても、消費増税賛成の立場は堅持しているようです。こんな人がリアリストと評価され、一定の世論形成に寄与している現実。彼らに、現金を貯め込みながら賃金を増やそうとしない上場企業の現実が見えているのでしょうか?見えていながら、法人減税については触れず、「消費増税に反対するのはバカ」といった論調をとるのでは、評論家として不誠実と言わざるを得ません。