デモの長期化・過激化で若者が不利に。経済力で中国に飲み込まれる香港

香港のデモが長期化しています。当初求めていた「逃亡犯条例」改正案の撤回は実現しましたが、デモ主催者は5つの要求を突き付け、4カ月過ぎようとしていますがデモは衰えるどころか、一部で過激化が進んでいます。

以下が5つの要求で、デモ主催者側と香港警察側の攻防が続いています。

1. 改正案の完全撤回
2. 警察と政府の、市民活動を「暴動」とする見解の撤回
3. デモ参加者の逮捕、起訴の中止
4. 警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施
5. 香港特別行政区の林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現

香港警察側は中国政府の意向が大きく働いており、香港政府が独自に決断することができないのは容易に想像できます。「林鄭月娥長官行政長官は北京の下の中間管理職そのもの。これまで水面下で何度も辞任を(北京政府に)申し入れたが、認められていない。そんな彼女にどれだけの権限があろうか。今回の撤回も北京に散々お伺いを立ててようやく許されたものだ」と香港の「土共」元幹部は話します。

香港デモの背景には、中国化することへの強烈な不安があります。香港の750万の人口のうち、およそ150万人が、この30年あまりで中国本土から来た人たちです。中国の富裕層が投資目的で高層マンションを次々と購入した結果、この10年余りで不動産価格は急騰し、ある繁華街で買い物をする客のほとんどは、中国本土からやって来た観光客や、移住者たちだといいます。香港の主要産業は金融業、不動産業、観光業、貿易業で、取引の多くが中国頼みです。イギリスから中国へ返還後、一国二制度を採用しているといえども、経済発展著しい中国の影響力が大きくなるのは避けられない運命だったのです。

デモが長期化、過激化することで香港内にも分断が生まれてきています。空港占拠や鉄道の運行妨害、店舗の破壊など暴動が激しくなり、もはや平和的なデモと呼べないレベルになっています。デモ参加者の中にも過激な行動を控えるよう求める声もありますが、警察が黒シャツに着替えデモ参加者に偽装し、暴動を煽っているとの情報もあり、住民たちの間で疑心暗鬼が広がっています。当初は支持していた住民でも、デモが長期化することで経済に影響が出始めることで不満が高まっています。週末の夜になると繁華街で黒シャツ隊が暴れまわるため、繁華街へ足を運ぶ香港人、中国人観光客が激減しています。4カ月以上に渡るデモ活動で市民生活は破壊され、香港経済に深刻な影響を与えているのです。

まとめ

暴徒化が進み、香港市民からの支持を失った時、人民解放軍の介入が現実味を帯びてきます。天安門事件の失敗から学んだ中国政府は、介入のタイミングを伺っています。暴徒化したデモが人民解放軍の介入の口実を与えること、経済的に支配されてしまうことで主権まで脅かされけねない事など、日本が香港デモから学ぶべき点は多いと思います。