台風で川の氾濫相次ぐ。災害大国の日本で公共事業を削り続ける狂気

史上最強クラスとされる台風19号の影響で、各地に被害が広がっています。大雨による増水で川の氾濫や堤防の決壊が相次ぎ、新幹線が水没する信じられないような報道も入ってきています。

しかも台風が直撃しようとする関東地方で最大震度4の地震が襲うなど、世界でもっとも震災の多い国のひとつであることを思い知らされます。

そんな自然災害大国の国で、世界で唯一国土の基盤となる公共事業を減らし続けている事実に眩暈がします。この国には、今いる国民だけでなく、将来の子どもたちの命を災害から守る気なんてさらさらないのではないかと疑ってしまいます。

国が公共事業を削減してきた理由のひとつが、「他国と同水準にするため」ということが以下の文から分かります。しかも、いわゆる「国の借金」が他国より大きいため、さらに削る方向性であることも示されています。

「(4)今後の公共事業の規模
公共事業関係費は、平成9年度予算のピーク時(当初予算ベース)と比較した場合、足元の平成27年度予算では約4割の減少となっている。この結果、我が国の公共投資の水準は、一般政府の総固定資本形成の対GDP比で見た場合、概ね主要先進国の水準に近づきつつある。ただし、我が国の財政事情はこれらの主要先進国と比較して格段に厳しいことに鑑みれば、公共投資の水準を今よりも増やす余裕はなく、引き続き総額の抑制に努める必要がある。」

資料:公共事業関係費の方向性

他国と同水準にするため、財政に余裕がないため削られてきた公共事業。この国にとって、「国民の命」の優先度は相当低いようです。

まとめ

この狭い国土で、自然災害で発生する被害金額は世界全体の17.5%にも上ります。公共事業のGDP比が、他国より多くなるのは当然です。1990年代後半から、マスコミによる公共叩きがはじまり、国民の多くはそれを支持してきました。特にターゲットになったのがダム建設です。

大雨の時、ダムには下流への流水を調整することで洪水を防ぐ役割があります。因果関係は分かりませんが、田中康夫氏が知事時代に「脱ダム宣言」をした長野県でも、今回の台風で千曲川が氾濫し行方不明者を出しています。災害時の政府対応を叩くのもいいですが、何より政治家、マスコミ、国民は自らの命だけでなく将来世代のリスクを高める決定をしてきたことを、反省する必要がありそうです。