労働環境が恵まれていれば、会社員として人生を全うするのは悪くない

『「40歳超えたオッサン」に伸びシロはあるのか 可能性があることは希望であり残酷』の印象的なタイトルに釣られ、記事を読んでみました。

書いたのは『ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。』と、こちらもインパクトのあるタイトルの著書がある、会社員兼ブロガーのフミコフミオ氏です。

40代に限らず誰もがなまじ「伸びシロ」があり、その可能性に賭けて会社を辞める無謀な人たちがいることを諫めているという印象です。フミオ氏と同年代のぼくは、転職を繰り返してきた人生を送ってきたので、申し訳ない気持ちになりました。確かに会社員を続けていたら、今とは違う人生になっていたはずです。かといって、後悔をしているわけではありません。

フミオ氏の主張は理解できます。あまりに低い可能性を追い求めて、わざわざ恵まれた環境からドロップアウトするのは馬鹿げているように見えます。起業の成功率は1年で40%、5年で15%とされ、ほとんどの人が失敗します。それより、会社員として今すべき仕事を一生懸命する方が、多くの人にとって賢い選択になります。まさに正論です。

フミオ氏の独特の語り口は軽快で嫌みが無く、最後まで興味深く読ませる魅力があります。著書のタイトルも秀逸で、「会社員は悪くないけどストレスフルだよ」と暗に警告しています。

ぼくも会社員として、安定した生活が送れる生活に憧れがあります。でも、会社員のストレスに耐えられるだけの根性がありませんし、これまで働いてきた会社で、働き続けることで安定した収入を得られるのか甚だ疑問です。会社員の旦那だけの収入で、安定した生活を送るのは難しい時代です。現代の問題は、ストレスに耐えるだけの価値のある会社員生活が送りにくくなっている事にあると思います。

フミコ氏は恐らく、恵まれた環境にいるのでしょう。会社員として働きながら、ブログや著書の副収入を得ることを認められる。そのような環境で働ける会社員は、きっとフミコ氏の言うように会社員としての人生を全うすることが賢い選択になります。しかし、賃金の低迷や長時間労働、職場でのパワハラやいじめが絡んでくると、そうも言っていられないよ、というのがぼくを含めた多くの意見ではないでしょうか。

豊かになっているはずの社会で、会社員以外の仕事を選ぶハードルが高いのが現実です。「働き方改革」が叫ばれる昨今ですが、ぼくがこれまで経験してきた職場で副業を認めている会社はひとつもありませんでした。現職は、パート契約の特例ということで一応認めてもらっています。一体いつになったらぼくたちは、豊かで文明的な生活を送れるようになるのでしょうか。