エキサイティングな経済映画。『マネー・ショート 華麗なる大逆転』

一般の人たちにはとっつきにくいためか、経済をメインテーマにした映画は多くありません。そんなテーマに果敢にチャレンジ、エキサイティングな映画に仕上がっているのが『マネー・ショート 華麗なる大逆転』です。原作はマイケル・ルイスのノンフィクション『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』(2010年刊行)。サブプライムローンの破綻により、大儲けをした投資家たちを描いた実話に基づいています。

会話には経済用語が飛び交い、派手なアクションシーンも皆無な映画ですが、住宅バブルを背景に膨れ上がる市場の中、馬鹿にされながらも破綻に賭ける投資家たちの心理状態はスリリングで、徐々に綻びが見えてくる過程は見応えがあります。

破綻で大儲けする彼らですが、その裏で600万人が家を失うなどの割を食う不条理にも思いを馳せます。もともと、返済能力の低い人々にも住宅ローンを組めるようにすることで成立した、持続不可能な詐欺システムだったのです。そんなデタラメなシステムで、投信銀行、住宅ローン会社、債券の格付け機関などが結託して利益を貪る姿を描き出します。

住宅・金融バブル発生の仕組みや、逆張りをすることで破綻で大儲けを狙う人たちの存在も知ることができ、経済を面白く学べる映画です。「財政破綻が~」と言っている人たちは、きっと国債の暴落に逆張りをしている投資家なのでしょう。それが実現した暁には、映画でヒーローとして描かれるはずです。そんな日は永遠にきませんが。