いわゆる「国の借金」を理由に国民のライフラインの優先度が低下

和歌山市が水道管の工事のため、大規模な断水を実施するとわずか3日前に発表したため、大騒ぎになりました。結局、破損した水道管が想定と異なったため大規模断水は中止となりました。

今回漏水と考えられた基幹配水管は1962年に埋設したもので、水道管の耐用年数とされる40年を超えており、いつ不備が出てもおかしくない状況だといいます。尾花正啓市長は記者会見で、「市民の皆様には大変ご迷惑をかけた。もっと早くから準備すべきだった」と述べています。水道管に水を供給する浄水・配水施設も老朽化しており、予算などの制約上、施設建て替え事業を優先したため、水道管の更新が遅れているといいます。

「大規模断水までならなくて良かったね」と安心している場合ではなく、問題が先送りされただけです。全国いつどこで、突然水にアクセスできない状況が訪れてもおかしくありません。和歌山市が特別な訳ではなく、水道などのインフラの老朽化は全国に広がっています。耐用年数超え水道管は、全国で15%を超えているのです。

水道に詳しいジャーナリストの橋本淳司さんによると、水道管が更新されない背景には自治体の厳しい財政状況があると分析します。人口減少で税収が減る上、一人一人の節水に対する意識の高まりから料金収入も減少傾向にあるそうです。

出ました、「厳しい財政状況、人口減少がー」。お金がないから、耐用年数をとっくに過ぎている水道管さえ交換できない。国民の生活に関わるライフラインさえ、満足に更新できないのは異常事態です。

安倍政権になって公共事業が増えたとのイメージがありますが、実際は民主党の時よりわずかに増えただけです。公共事業関連費は、約15兆円あったピークから約7兆円と半分以下に減らされています。これまでのライフライを維持するつもりなんて、政府にはさらさらないとしか思えません。

問題は「財政赤字」ではなく、財政赤字を理由に国民の命のリスクを高めている政治にあります。将来世代にツケを残すなと主張し、腐りかけのインフラを引き継がせようとしているのです。いわゆる「国の借金」の誤った認識を改めない限り、将来世代に明るい未来は訪れないでしょう。