レバノンの反政府デモは貧困問題が発端。日本とは違う本当の破綻とは

ゴーン被告の逃亡先のレバノンで、反政府デモが激化しています。怒りの矛先は腐敗した政治に向かっていますが、その背景にはボロボロになった国民経済にあります。政治が腐敗していようと生活が安定していれば、ここまで大規模なデモに発展していないでしょう。

35歳未満の失業率は37%と高く、インフラは不十分で毎日のように停電が起こっています。財政赤字が膨らんでいますが、政府支出が国民に向けられることはなく、債務返済と肥大化した官公庁の経費によって吸い取られています。

レバノンポンドはドルペックを採用し、レバノンの政府債務はドル建ての外国債です。レバノンポンドは信用が低く、インフレや金利上昇が起こりやすく通貨や国債の増発が安易にできないのだと思います。そして、政府債務残高は、GDPの約150%の850億ドルに達しています。

ほとんど輸出のないレバノンは、高い金利で集めたオイルマネーや、海外移住者からの国内送金により財政赤字などの穴埋めを続けてきました。しかし資金環流が減速しドルは不足、レバノンポンドは闇市場で下落し物価が上昇しています。ドルの流出とインフレを抑えるため預金引き出し制限がかけられており、金融機関への襲撃も発生しています。

これが本当の財政破綻の危機にある国の姿です。外貨準備高が潤沢にあり、自国通貨で莫大な国債を発行しても金利とインフレ率は低いまま。「政府債務残高がGDP比で230%だからやばい」訳ではありません。本当にやばくなると、通貨の信用が下がり、金利やインフレ率が上昇してきます。日本はその水準になるまで財政出動して景気を刺激しても構わないのが本当のところです。