不倫は両成敗?男の「独りになるつもり」を信じる女にも罪はある

約30年前、『ギミア・ぶれいく』というバラエティー番組内で、藤子不二雄Ⓐ原作のアニメ『笑ゥせぇるすまん』が放送されていました。当時ぼくは高校生で、同番組をほぼ毎週観ていた記憶があります。主人公の喪黒福造が一時的に人々に救済を与えますが、彼らが喪黒との約束を破ることで、最終的に不幸になるという後味の悪い話がほとんどです。特に悪人でもない人たちを不幸にする展開を、当時から釈然としない思いで観ていました。

先日、たまたまAbemaTVで放送されていた同アニメの「待つ女」を観ました。OL時代に妻子のある課長と不倫をしていた待子は、課長の「離婚をしたら一緒になろう」という言葉を信じ、ひたすら待っていました。しかし課長が待子を迎えることはなく、諦めかけていた時に喪黒が現れ、田舎の療護施設で新たな人生を始めます。そこに偶然怪我を負った課長が入院することになり、再び二人は恋仲になってしまいます。「特定の患者と特別な関係になってはいけない」という喪黒との約束を反故にして。

課長は完治して退院する際「今度こそ離婚する」と言い残し、待子はその言葉を信じて再び待つ日々を送ります。しかし課長が迎えに来た時には、待子は老婆のような姿になっていたため課長は気付くことができなかった、というお話です。うぶだった当時にこれを観ると、単純に「待子が可哀そう」と感じたかもしれません。しかし、今では待子の愚かさも理解でき、報いを受けるのも仕方がないと思います。

前置きが長くなりましたが、以上の理由から不倫がばれた鈴木杏樹に全く同情できません。そもそも本当に、男の「独りになるつもり」を信じて待っていたのでしょうか?そんな当てにならない言葉を信じた振りをしていたとしたら、相当したたかで抜け目のない女性だと思います。しかも、相手(奥さんにも)に大ダメージとなるその言葉を公表までしてしまうとは。喪黒福造は、そんな人間のいい加減さ、愚かさ、醜さ、弱さを暴き出すことで、視聴者に「人間とは何か」を感じて欲しかったのだと今では思います。