イタリアで新型コロナ感染者と死者が激増。緊縮による医療削減も一因に

新型コロナの発生源から遠く離れたイタリアで、感染拡大と死者数の増加が際立っています。感染拡大の原因として、握手やハグなど日常的にフィジカルな接触が多いことが指摘されています。そのため、直接肌が触れ合わないように合唱や肘を合わせるといった挨拶を政府が提唱しています。

ツイッターでは、イタリアの不潔さを原因とする意見も流れています。確かに日本の高い公衆衛生意識と比較すると、多くの国が不潔で感染拡大を助長している一面もあるのかもしれません。個人的な体験では、海外出張で酷い腹痛に襲われることが多くありました。不潔な環境で調理された料理に含まれた、得体の知れないウイルスにやられていた可能性もあります。

またイタリアでは、医療機関が対応できるキャパを超えているため医療崩壊が起きているとの情報もあります。韓国と同様、検査を多く実施することで陽性者を特定し感染拡大を防ぐ意図がありました。しかし、その結果症状が軽い患者数も受け入れざるを得なくなり、重傷者への対応が不十分になり死者数が増加しているようです。

他にも、イタリアは政府債務残高が対GDP比で約130%と高く、緊縮策として医療費削減を進めてきたことが医療現場の崩壊の一因になっているとの報道があります。その上、医療従事者の感染も広がっており、イタリアの医療現場は悲惨な状況に陥っています。

イタリアは欧州連合(EU)が求めた財政緊縮策として医療費削減を進め、医療機関を減らしてきた。その結果、過去5年の間に約760の医療機関が閉鎖し、医師5万6000人、看護師5万人が不足しているという。政府は引退した医療関係者の現場復帰を呼びかけ、軍事施設の活用など対策を急いでいる。

イタリアでは複合的な要因が重なり、他の国より突出して感染が拡大しています。そして、最後の砦となるべく医療が崩壊してしまえば、状況は悪化の一途を辿ることが明確になりました。日本でもいわゆる「国の借金」を理由に、医療費削減が求められています。日本では何とか現場の努力で医療崩壊は食い止められていますが、将来の日本はイタリア化しないとも限りません。今回の新型コロナ騒動は、将来起きるかもしれない新たなパンデミックや、さらに悲惨な状況になることが確実な強毒性インフルエンザ感染拡大の教訓にすべきことが多くあります。