イタリアが「欧州の武漢」に。医療崩壊で死者が増加

イタリアで新型コロナ(COVID-19)の感染者が約2万人、死者が1800人を超え、「欧州の武漢」という不名誉な事態に陥っています。日本では、感染者、死者数の抑制に成功しています。無暗に検査することで感染が広がるとの見解もありましたが、充実した検査体制を敷く韓国で感染者、死者数がそれほど増加してません。そのことから、感染、死者数の増加の要因は、検査の実施状況より、医療体制を維持できるかが大きく影響しているようです。以下の記事が、イタリアの悲惨な状況と要因を解説しています。

医者にとって、救える可能性のある患者をリソース不足を理由に諦めなけらばならない状況ほど悲惨なことはないのではないでしょうか。あるイタリアの医療機関では、集中治療室のベッドが空いておらず、誰にモニターと人工呼吸器を与えるかを選択しなけらばならない状況になっています。

災害医療などでは、より重症度の高い患者を優先的に治療するトリアージが基本です。しかしこの施設では、高齢者よりも生存の可能性が高いという理由で、若年のCOVID-19患者の治療を優先しているといいます。イタリアで、死亡率が高くなっている要因のひとつです。

このような「医療崩壊」は、高齢化社会、医師と医療資源の不足という慢性的な問題も一因となっています。それにしても、最初にCOVID-19の症例が報告されたのは2月20日で、約1カ月でここまで状況が悪化するのには驚きです。同じく、高齢化社会、医師不足という問題を抱える日本も他人事ではありません。これから感染拡大が本格化しそうな欧州各国や米国でも、イタリアのような「医療崩壊」だけは決して起こさせないような対策が必要になるでしょう。

イタリアでは、感染拡大対策で都市封鎖をしたのが逆に働いた可能性があります。封鎖の情報が事前に漏れたため、多くの人々がイタリア北部から封鎖前日に避難したといいます。感染者の移動を促した一面は否めません。その後、外出やイベントの自粛、薬局や日用品店以外の閉店などの対策をしていますが、感染拡大に歯止めがかかっていません。

今回の件では、パンデミックを防ぐための水際対策、感染拡大防止のための外出やイベントの自粛、公衆衛生の強化など多岐に渡る対策と、有効性や副作用を巡る問題が明るみに出てきました。また、経済への影響も深刻化しており、世界的な不況が引き起こす貧困や格差、自殺者増加の対策も必要になります。

最近まで「景気は概ね好調」と豪語し、先日も「リーマンショックほどのことではない」と楽観論を述べる要職の人がいますが、本当にそうでしょうか?既に、民間主導ではどうにもならない状況になっています。今こそ、政府の役割(特にお金の発行)をフルに発揮させる時ではなないでしょうか。