新型コロナが「国の借金」の嘘を暴く?米国で一人10万円を支給

米国の大統領予備選でバイデン氏がリードを広げています。サンダース氏が選ばれないのであれば、トランプ大統領が再選した方がましです。今起きている新型コロナによる景気後退懸念に対する、トランプ大統領の決断の速さは尊敬に値します。

トランプ大統領は、2週間以内に国民1人当たり1000ドル(約11万円)を超える直接支給を希望しているといいます。これ以上効果的な景気刺激策はないでしょう。どこかの国では、1万2000円以上とかしょぼい金額を検討しているそうですが。子どものお年玉レベル。恥ずかしい。

須藤元気氏も、ゼロが一つ足りないよと指摘しています。こんな状況になると、消費増税がどれだけ愚策だったのかが分かります。景気を盛り上げるためには、消費を増やさなければなりません。その消費を落ち込ませる消費増税を強行したわけですから。消費が減ると経済活動が鈍り、所得税や法人税が減り、当初の目論見の税収増も怪しくなります。

さすがに、新型コロナが追い打ちをかけることまで予測はできなかったのでしょうが、政治は結果責任です。国民からお金を奪っておいて、今度は景気がやばいから支給する。どれだけ無駄なことをしているのでしょう。近年の政府が意図しているのは、「ギリギリの国民生活を保障する」ことではないかと疑念を持ってしまいます。それも保証できなくなり、生活困窮者や自殺者が激増しそうだと慌てているのではないでしょうか。

政府がこんなちぐはぐな政策をとらざるを得ないのは、すべて「国の借金」の呪縛のせいです。日本が借金まみれで、政府支出は出来るだけ減らし、国民からはお金を巻き上げなければ破綻するという間違った認識があるからです。米国も似たような状況で、いわゆる「国に借金」を理由に政府支出の削減は課題となっています。

それでも米国は、不況懸念の払しょくのため1兆ドル(約107兆円)の景気刺激策を検討しています。さすがに非常事態に、「国の借金がー」の声は出てこないでしょう。安定的な経済成長が、国の運営でもっとも重要なことだからです。国民経済や人命より、政府の借金返済を優先するのはもはや国ではありません。ハイパーインフレを懸念する財政破綻論者がいますが、今回のケースで学んでほしいものです。国民に10万円を支給するなど、107兆円のいわゆる「バラマキ」がどれだけの副作用になるのか。

MMT(現代貨幣理論)の提唱者、ステファニー・ケルトン教授が指摘するように、「新型コロナウイルスが国の借金の嘘を暴く」という結果をもたらしてくれればいいのですが。